【楽天】14日にも交流戦初V 藤井聖5勝「根性あるほう」体調不良隠し5回0封 G倒「感慨」
<日本生命セ・パ交流戦:楽天3-0巨人>◇13日◇楽天モバイルパーク 14日にも初Vに手が届く。楽天が13日、「日本生命セ・パ交流戦」巨人3回戦(楽天モバイルパーク)で快勝し、今季2度目の同一カード3連勝を決めた。先発の藤井聖投手(27)が体調不良にも負けず、5回を3安打無失点に抑えてチームトップの5勝目。救援陣も好リリーフで0封リレーを見せた。今季60試合目で初の貯金1。14日に広島に勝ち、ソフトバンクが阪神に敗れるか引き分け、広島戦に引き分けてもソフトバンク黒星なら、球団創設20年目で初の交流戦優勝が決まる。 ◇ ◇ ◇ 藤井が5回77球を投げきった。「(捕手の)太田が5人くらいに見えて。それはウソですけど。結構ふらふらしたんですけど、気合で乗り切りました」。2日前まで39度2分と発熱していた。平熱に戻ったが、投球中も手がしびれるなど万全とはいえないコンディションだった。 粘った。打者3人で抑えたのは初回だけ。走者を背負っても2回、4回、5回と3度併殺に仕留めてピンチを脱した。神奈川県出身だが元は大の高橋由伸ファン。「ずっと巨人が好きでした。自分が好きだったチームを倒せるっていうのは、すごい感慨深いものがあります」。 モチベーションはもう1つ。自身が所属していた社会人野球のENEOSがこの日、都市対抗野球の本選出場を決めた。同期が先発していた。「僕も頑張らなきゃなって」。体調が優れないことはコーチ陣に隠してマウンドに上がった。同一シーズンの交流戦3勝は、球団の左腕史上初めてとなった。 ブルペン陣も力投を引き継いだ。連戦を考慮して勝ちパターンの宋を休ませたが渡辺翔、鈴木翔、酒居、則本がスコアボードにゼロを並べた。今江監督は「なかなか点が入らない中でも丁寧に投げてくれた。継投で完封できたのはバッテリーで勝ったようなもの」とたたえた。開幕から借金生活が続いてきたが、60試合目で初の勝ち越し。「貯金はすぐ減ってしまうので、しっかり使い方を考えていきたい」と言った。 14日にも交流戦初優勝が決まる。同監督は“あれ”を意識しない。「見ないです。(頭上を指さし)ここらへんに(優勝が)あるのかもしれないですけど、僕はしっかり前だけ見てます。とにかく一戦必勝。うちのチームはいつこけるか、いつまた大波がくるか分からないので」。まだ3試合ある。地に足をつけた先に頂がある。【鎌田良美】 ▼楽天が17年以来2度目の対巨人3連戦3連勝。交流戦を12勝3敗とし、今日14日にも初Vが決まる。14日のV条件は楽天が広島に○、ソフトバンクが阪神に△か●。楽天△でもソフトバンク●なら優勝となる。 ▼交流戦優勝の可能性を残すのは楽天、ソフトバンク、オリックスの3球団。22年はヤクルト、23年はDeNAが優勝しており、3年ぶりにパ・リーグ球団の優勝が確定した。