あの「malca」の1階に、ウエイティングにも使えるオシャレなBarがオープン!
「こんなパテドカンパーニュがあるなんて!」と思わず叫びそうになったほど想像を絶するおいしさの秘密は、梅酒漬けの梅で作ったジャムのほんのりした甘み。でもそれだけじゃありません。「常陸野ポーク」のクセのない味わいと肉本来の持つ力強さ、そして“これぞパテカン”のねっとり感が梅の甘みと融合し、今までにない味に仕上がっています。
そして忘れてはならないのがこの粒マスタード。カナダ産の辛子種子を醸造酢漬けにしたなんとも優しい酸味が加わると、どんなにおいしいものに食べ慣れた人の舌をも驚かすことでしょう。「パテカンは自家製にしようかと思ったのですが、『常陸野ハム BARREL SMOKE』のパテを試食したらあまりにおいしかったので作る必要がなくなった」と「malca」のシェフ、北野 司さんを唸らせただけあって必食です。
こちらは形よりもおいしさを重視し、年間350品目の野菜を育てることに取り組んでいる福島県郡山の「鈴木農場」の野菜を使ったマリネです。「野菜自体がおいしいので味付けは本来の味わいに寄り添うようにしています」と酸味は穏やか。このサイズ感ながらニンジンはシャキシャキ、カブは表面だけ歯ごたえを残し中はとろんとやわらかく、リーキはとろとろと、それぞれの特性を生かした食感に仕上げているのはさすが。
ここに来たらいいことが起きるかも?と感じさせる場所
この店にあるものは“絆”で繋がっています。セレクトショップのように店に合わせたわけではなく、“お付き合い”があるからここに存在するのです。淡路島出身の北野シェフが地元で出会った天日塩や伝統的な瓦作り製法で作った食器、「malca」オープン時から使用している吹きガラスのグラスや花器、アートワークを依頼している中野氏の作品など、“きっかけはテーブルから”で繋がった人や物をここから発信していきたいと話します。
店名を「and Svolta」にしたのは理由があります。社名でもある「Svolta」はイタリア語で好転するきっかけやターニングポイントという意味。だからandの前に存在する人や物の日々の生活や気分が上向きになって欲しいという願いを込めています。ここに来れば何か素敵なことが起こる、そう予感させる店が誕生しました。
and Svolta
住所 : 東京都港区南青山2-27-16 篠塚ビル 1F TEL : 050-5592-7628
文:高橋綾子、食べログマガジン編集部 撮影:松園多聞