日本製鉄、USスチール買収失敗の危機…あとはバイデン氏の最終決定
日本製鉄の米国鉄鋼USスチールの買収が最終的に失敗に終わる可能性が高くなった。 米国の鉄鋼産業を代表するUSスチールを海外企業に売却するというのは、ドナルド・トランプ米大統領当選者はもちろん、バイデン大統領も反対してきた。ただし、米国企業の海外売却に関連して安保危険性など明確な反対の理由を見出せずに政治的判断に任せる先例になるという批判も米国内から出ている。 23日(現地時間)、ワシントン・ポスト(WP)は、対米外国投資委員会(CFIUS)が日本製鉄のUSスチール買収に対する安保危険性評価で合意に至らなかったことをホワイトハウスに最終報告したと伝えた。 CFIUSは、日本など外国企業が米国の象徴的な鉄鋼企業を買収する場合、自国の鉄鋼生産量が減少する可能性があり、これは国家安保に危険になりかねないと指摘してきた。これに対し、日本製鉄は懸念を解消するため、USスチールの最高経営陣と理事会に米国市民を任命すると提案するなど、説得作業に乗り出した。石破首相もバイデン大統領に売却を前向きに検討してほしいと要請した。しかし、CFIUSは日本製鉄側が提示した解決策が十分かどうかをめぐって意見が分かれたとWPは報じた。 結局、この事案はホワイトハウスの決定に委ねられた。バイデン大統領は15日以内に最終決定を下さなければならない。「取引不許可」の時、これは日本企業の米国企業買収に対する米大統領の初めての拒否権行使となる。 日本製鉄の損害も大きい。直ちに買収が不可能になれば、日本製鉄は5億6500万ドル(約888億円)の違約金をUSスチールに支払わなければならない。 また、現在年間6500万トンの粗鋼生産能力をUSスチール買収を通じて8500万トンまで増やそうとした計画も挫折する。日本製鉄側は買収が失敗に終わる場合、米政府を相手に法的対応をとると明らかにしてきた。