指定暴力団山口組国領屋一家の総長らが今年の「浜松まつり」で露店の出店権をだまし取ったとされる詐欺事件で、磐田、浜松中央、浜北署と静岡県警捜査4課は30日までに、4月に磐田市内で開催された「遠州大名行列・舞車いわた大祭り」でも同様の手口で権利をだまし取ったとして、総長ら4人を詐欺の疑いで再逮捕した。静岡県警は県西部の祭典で不正出店が繰り返されていたとみて、実態解明を進める。 　再逮捕されたのは、指定暴力団山口組国領屋一家総長の無職の男（55）＝浜松市中央区萩丘5丁目＝、建設業の男（46）＝同区和合町＝、会社員の男（38）＝同区大島町＝、解体業の男（37）＝浜名区中瀬＝の4容疑者。 　再逮捕容疑は共謀して4月27日、第22回遠州大名行列・舞車いわた大祭りで、総長が実質経営する露店であることを隠して「県西部街商協同組合」を通じて主催者側に誓約書などの書類を提出し、出店権利をだまし取った疑い。 　関係者によると、建設業の男、会社員の男、解体業の男の3容疑者は協同組合の組合員。まつり期間中、3容疑者が名義人となって十数店舗を出店し、計100万円程度を売り上げていたという。 　総長ら4人は今年5月の「浜松まつり」で、暴力団関係者の素性を隠して露店の出店権を不正に取得した疑いがあるとして、9月8日に逮捕されていた。県警は不正な申請手続きに関与した人物らを追及するとともに、売上金の一部が国領屋一家の資金源になっていたとみて捜査している。