「学校って絶対に行くべき?」…韓国の高校中退、昨年だけで2万5千人
韓国で昨年の高校中退者は直近5年間で最大の約2万5千人となった。専門家たちは、コロナ禍を経て学校に対する生徒や保護者の認識が大きく変化したからだと分析する。 22日に鐘路学院が「学校だより」(学校からのお知らせが見られるウェブサービス)に公示された全国2379の高校の中退率を分析したところ、昨年中退した高校生は全体(127万6890人)の2.0%にあたる2万5792人。高校生の中退率は、2019年には1.7%(2万3812人)だったものがコロナ禍のさなかの2020年には1.1%(1万4455人)に低下したが、その後は2021年1.5%(2万116人)、2022年1.9%(2万3980人)と上昇している。 17市・道のうち、昨年の中退率が平均の2%以上だったのは11自治体。光州(クァンジュ)が2.4%で最も高く、世宗(セジョン、2.3%)、京畿道と江原道(2.2%)、忠清北道(2.1%)、ソウル・慶尚北道・大邱(テグ)・忠清南道・全羅南道・大田(テジョン、2.0%)などが続いた。ソウルの中では江南区(カンナムグ)と瑞草区(ソチョグ、2.7%)、松坡区(ソンパグ、2.1%)の江南3区が高かった。 学校現場では、コロナ禍での遠隔教育などを経て、学校の必要性を以前より感じなくなったことが影響していると分析している。仁川(インチョン)のある高校教師は、「コロナ禍を経て塾が学校を代替しうるという認識が定着したようだ。加えて定時入試まで拡大されたことで、自身が準備する科目だけに没頭できる塾に行った方が効率的だと考える生徒や保護者も非常に増えた」と語った。韓国教員大学のキム・ソンチョン教授も、「学校の機能が入試準備中心になってしまっている中、コロナ禍を経験した生徒たちは『学校には絶対に行かなければならない』とは考えない。公教育の本来の機能をよみがえらせる努力が必要」だと指摘した。 パク・コウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )