柿スイーツ最前線 パフェやケーキにも 「秋王」「天下富舞」使用
旬の柿を使ったスイーツが続々と登場している。ケーキやパフェで柿本来の甘さや風味を生かそうと、ほうじ茶など合わせる素材を工夫。ブランド名や品種名を前面に出して付加価値を上げ、さらに季節感を演出しようと期間限定で販売する。 【画像】渋皮栗と秋王のブリュレパフェ コムサ(東京都渋谷区)が展開する「カフェコムサ」は1日から、岐阜県産のブランド柿「天下富舞(てんかふぶ)」を使ったケーキを全国25店舗で提供する。今年で4年目となり認知度も上がって売れ行きは好調。同社の担当者は「特に『天下富舞』の初せりが行われた名古屋の店舗では大人気」と話す。 ケーキ1ホール当たり「天下富舞」を4、5個使用。「フルーツを主役にするため、クリームなどの甘さは控えめにしている」(同)という。価格は1ピース1300円。銀座店は同1400円。提供は24日までを予定する。 ロイヤルホールディングス(HD)が展開する「ロイヤルホスト」は、東京23区内の20店舗で、福岡県産の「秋王」を使用したパフェを販売している。パフェには、和をイメージさせる栗とほうじ茶を組み合わせ、「渋皮栗と秋王のブリュレパフェ」(1408円)など4種類を提供。また、一部商品には「秋王」の試食サービスもある。同社は「『秋王』はロイヤル創業の地で関わりが深い福岡県からの紹介もあり、高い糖度やサクサクとした食感、品質の高さで選んだ」と話す。26日までの期間限定だ。 旬を迎えた柿の相場は、出回り始めからの品薄高が続く。12日の日農平均価格は平年比28%高の1キロ343円。11月上旬の取引量は同12%減だった。他の季節の果実も少ない中で、引き合いは強い。 この時期の主力は東北産の「平核無」や「富有」。着色遅れや日焼け果の発生などで後続の「富有」は出方が鈍く、東京の青果卸は「種なし柿への引き合いはまだある」と話す。 今後について、同卸は「高値疲れの懸念もあるが、高いままもちあい」と見通す。
日本農業新聞