32歳、これまで大きなケガも病気もしたことがありません。いまだに民間の「医療保険」に入ってないのですが、そろそろ入るべきでしょうか? 月2000円の「都民共済」でも大丈夫ですか?
「若くて健康なうちは医療保険なんて必要ない」と思う人は多いかもしれません。しかし、年齢を重ねるうちに医療保険に入ったほうがよいのでは? と考えが変わってくることもあるでしょう。一方で、日本には高額療養費制度があるため医療保険は必要ないという意見もあります。 本記事では高額療養費制度があれば医療保険は必要ないのか、医療保険に入ったほうがよい人、医療保険と共済の違いなどについて解説します。 ▼勤続20年でも年収は「280万円」貯蓄も「30万円」しかないのは少なすぎ!? 転職したほうが良いの?
高額療養費制度があれば医療保険に入らなくても大丈夫?
日本では医療保険に入らなくても、高額療養費制度があるから大丈夫という話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。高額療養費制度とはどのようなものか、高額療養費制度だけで本当に大丈夫なのかを説明します。 ■高額療養費制度の概要 高額療養費制度は、1ヶ月の医療費の自己負担額が上限額以上になると、超えた分が払い戻される制度です。上限額は年齢や年収によって異なります。 例えば、69歳以下の人で、年収が約370万円までの場合の上限額は5万7600円です。年収が約370~770万円の場合は「8万100円+(医療費-26万7000円)×1%」です。1ヶ月に医療費が100万円かかった場合、年収約370~770万円の人の自己負担額は8万7430円になり、それ以上の負担はしなくてよいことになります。 ■高額療養費制度の落とし穴 高額療養費制度があれば、医療費の自己負担額を一定額に抑えられるため、医療保険は不要に思うかもしれません。しかし、自己負担額が抑えられるとはいっても、毎月数万円は負担が必要です。治療が長引けば家計に与える影響は無視できないでしょう。 また、高額療養費制度は差額ベッド代や先進医療が対象外です。がん治療などでは先進医療が用いられることもあり、高額医療費制度だけではやや心もとないと感じるかもしれません。
医療保険に入ったほうがよい人とは?
医療保険への加入を検討したほうがよい人を説明します。 ■貯蓄が少ない人 高額療養費制度だけでは、治療期間が長引くと家計に影響を与えます。治療中は収入も十分に確保できない可能性があるため、貯蓄が少ない人は医療保険でのカバーを検討したほうがよいでしょう。 ■健康に不安がある人 持病があるなど健康に不安がある人も、頻繁に医療を利用する可能性が高くなります。先進医療を受けたり、治療期間が長引いたりした場合に備えて医療保険への加入を考えたほうがよさそうです。 ■自営業者 自営業者は会社員と異なり、病気になると収入がゼロになってしまうことも少なくありません。貯蓄が十分であったとしても、不安定な環境を支えるために医療保険を検討したほうがよいでしょう。