アンドレッティのF1参入拒否……FOMが下した判断は、公平なモノだったのか?
先週水曜日(1月31日)、FOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)は、2025年からのF1参戦を目指していたアンドレッティの申請を却下したことを発表した。その際にFOMは、アンドレッティの欠点を率直の述べ、さらにその理由を詳細にわたって説明した。 【ギャラリー】アンドレッティ、佐藤琢磨と共に2017年インディ500優勝! FOMは、アンドレッティが十分な競争力を手にする可能性はほとんどないと考えており、たとえチームの名前が有名なモノであったとしても、F1に追加の価値をもたらすことはないだろうと指摘したのだった。 また、アンドレッティは2025年にF1に参入することを目指していたが、その翌年にはレギュレーションが大きく変更される予定であるため、このふたつのレギュレーションのためにマシンを製造するという計画は甘いとした。 ただこのFOMの決定に対して、アンドレッティのF1参入を認める立場にあるFIAは「次のステップを決定するために対話を行なっている」という声明を出すに留めている。
■アンドレッティには競争力を期待できないのか?
FOMの主な主張は、中期的に表彰台を争うなどある程度の成功を収めない限り、11番目のチームはF1に付加価値をもたらすことはなく、大きな関心も集めないというモノだ。 この条件を考えれば、F1に参加することは、将来有望なチームであったとしても、まずは”スタート地点に立つ”ということではないのは明らかだ。 F1における歴史が最も短いチームは、2016年に参戦を開始したハースである。しかしこのハースは、ここまで8年間F1を戦ってきたが、最高位は2018年オーストリアGPの4位。表彰台は獲得できていない。そして2023年のコンストラクターズランキングは最下位であり、チーム創設以来代表を務めてきたギュンター・シュタイナーが事実上更迭されることとなった。 このハースに続いて参戦歴が短いのは、1997年に参戦を開始したスチュワート・グランプリを源流に持つレッドブルだが、それもハースより20年近く長い歴史を持っていることになる。 今のF1は、知名度が世界的に劇的に向上しただけでなく、チームの予算上限が制定されたことにより参戦しやすくなり、価値も大きく引き上げられた。そのため、既存のチームが売りに出される可能性はほぼなくなったと言える。 そして、キャデラックのブランド名でアメリカの巨大自動車メーカーであるゼネラルモータース(GM)を後ろ盾に持つアンドレッティは、その状況を打破する……つまり新規チームとして参戦する準備がしっかり整っているように見えた。しかし最初の3シーズン以内に素晴らしい競争力を発揮するのは非現実的であると、FOMは判断したのだ。