【出雲駅伝】國學院大がアンカー対決を制する 5年ぶりの優勝を果たす
大学三大駅伝の初戦となる出雲全日本大学選抜駅伝競走(出雲駅伝)が、10月14日のスポーツの日に島根県出雲市で開催されました。 【画像】出雲駅伝区間賞一覧 出雲大社正面鳥居前をスタートし、出雲ドーム前にフィニッシュする全6区間45.1kmに21チームが出場。関東地区からは箱根駅伝のシード権をもつ10校が出場し、熱戦を繰り広げました。 レースは、今年の箱根駅伝を制した青山学院大学、出雲駅伝を連勝中の駒澤大学、そして、充実の布陣を築いた國學院大學の3校による優勝争いになりました。 先手をとったのは青山学院大学でした。1区では今季絶好調の鶴川正也選手が、東京五輪10000m代表のキーラン・トゥンティベイト選手(アイビーリーグ選抜)らを抑えて区間賞を獲得し、好スタートを切りました。2区では3位に後退したものの、3区ではエース格の黒田朝日選手が再び先頭に浮上しました。 中盤に強さを見せたのは駒澤大学でした。エース格の佐藤圭汰選手を怪我で欠いた駒澤大は2区を終えて6位でしたが、3区の山川拓馬選手が青山学院大学の黒田選手をとらえます。最後は4秒遅れをとったものの、2位に浮上すると、4区の伊藤蒼唯選手でトップを奪いました。 一方、國學院大は3区を終えた時点では3位でしたが、どの大学も前半を重視するなか、後半の3区間(4区~6区)で圧巻の強さを見せました。4区の野中恒亨選手が区間賞の走りでトップに9秒差に迫ると、5区の上原琉翔選手も区間賞で続き、先頭でアンカーの平林清澄選手につなぎました。 最終6区には、國學院大が平林選手、駒澤大が篠原倖太朗選手、青山学院大が太田蒼生選手と、上位の各大学はエース格を起用。「(上原が)先頭で来てくれたので、勢いづけられましたし、勇気をもらえました」こう話す平林選手は、1km過ぎに駒澤大・篠原選手に並ばれますが、「追いつかれるのはわかっていた」と平林選手には想定通りの事態で、両者の並走はしばらく続き、勝負が決したのは約4.5kmでした。 平林選手が一歩前に出ると、5km過ぎの浜山公園の上りで一気に突き放しにかかります。「絶対にラスト勝負はしたくなかった」と、スピードが武器の篠原選手に対してロングスパートを仕掛けました。 「篠原君が少し後ろに下がった時にきついのかなと思ったので、"自分で行くしかない"と思いました」篠原選手を振り切った平林選手はその後も快調に飛ばし、5年ぶり2回目の優勝のフィニッシュテープを切りました。なお、平林選手も区間賞を獲得し、國學院大は後半3区間で他を圧倒して栄光を勝ち取りました。 今季の國學院大は『歴史を変える挑戦 Ep.3』というチームスローガンを掲げています。エピソード1(2010年―11年)では、箱根駅伝で初めてシード権を獲得。エピソード2(2019年―20年)では、三大駅伝で初めての優勝となる出雲路制覇を果たしています。そして、エピソード3は箱根駅伝総合優勝を最大の目標としています。エピソード3の完結に向けてまずは一冠。戦いは全日本大学駅伝、箱根駅伝へと続きます。