「日本フリーランスリーグ」が漫画家ら対象の調査結果を発表 『セクシー田中さん』日テレ報告書へ苦言も
漫画家・イラストレーター約570名を対象に調査
FLJの第一回目となる調査では、今年1月に『セクシー田中さん』原作の漫画家・芦原妃名子さんが死去した事件を受けて、フリーランスの漫画家・イラストレーター約570名が対象になった。 調査対象のうち約50%が著作権や著作者人格権に関して取引先とトラブルになった経験があるほか、約20%は契約書を締結せずに案件を受けていた。 また、「契約などで交渉が必要な時や問題が生じた際に何が必要だと思うか」という質問には、約80%が「交渉を支援、代行してくれる業界団体」と回答し、次いで約64%が「この問題を専門に扱ってくれる弁護士」と回答した(複数回答を含む)。 自由記入欄には、取引先が立場の強さを利用してフリーランスに理不尽な要求を行う具体的な事例を記載した回答が複数寄せられていた。 また、著作権や著作者人格権に関する知識が周知されていない問題の指摘、生成AI技術に対する不安を示す回答が多数寄せられたほか、『セクシー田中さん』事件に言及する回答も目立った。
日本テレビ『セクシー田中さん』調査報告書を批判
FLJの報告書では、5月31日に日本テレビが公表した『セクシー田中さん』事件に関する調査報告書についても言及されていた。 日本テレビの報告書では「関係者間のコミュニケーションに問題があった」とされている。また、日本テレビ関係者は「原作契約について事後になったことは主たる原因ではない」とコメントしたという。 これに対して、FLJは「大前提としてコンテンツの取り扱いに関するルールが必要であり、その最も大事なものが著作権・著作者人格権の扱いを規定する契約書である」と指摘し、報告書やコメント内容の一部について批判した。 また、日本テレビ関係者は「SNSの投稿をめぐっての世間の賛否両論については我々は測りかねるので調査の目的からは外した」ともコメント。 FLJの報告書は『セクシー田中さん』放送スタート記念にX(旧Twitter)でプレゼントキャンペーンが開催されたなど、もともと番組の放映・運営のなかにSNS活用が組み込まれていることを指摘。SNS運用についても事前に契約書を締結することの重要性を強調した。
弁護士JP編集部