秩父で札所巡りツアー企画「札所へGO!」 秩父高の授業と連携して企画
秩父札所巡りの魅力を多くの人に知ってもらうため、秩父高校1年生が企画したガイドツアー「札所へGO!」が11月3日に行われる。6月から11月にかけて行う秩父高校の授業「総合的な探究の時間」の一環で、秩父地域が抱える課題から理想の未来に向かうためのアクションの一つとして、生徒と秩父札所連合会の取り組みから誕生した企画。(秩父経済新聞) 【写真】秩父札所連合会の事務局長・秩父札所10番「大慈寺」の斉藤副住職 秩父札所は秩父市・横瀬町・皆野町・小鹿野町の34カ所に点在する、観世音菩薩をまつった寺のこと。坂東33カ所・西国33カ所と合わせて百観音霊場とするため、秩父には34カ所の札所がある。 「秩父札所の認知度が低いのでは」という課題を踏まえ、西武秩父駅周辺でアンケート調査を実施。アンケートの中で「知名度を高めるために何をしたらいいか」と意見を求めたところ、SNSの活用やイベントの実施という回答が多く、同企画が持ち上がった。 秩父札所を授業のテーマとして選んだ生徒10人はガイドチームと広報チームに分かれ、準備を進めている。9月28日・29日に行った同校の文化祭「いちょう祭」では約300枚のチラシを配布するなど広報活動を行い、インスタグラムなどのSNSを活用したPRも検討している。 当日は、秩父駅近くの観光情報館前に集合し、札所13番から16番までの4カ所で、約4キロの行程を歩きながら案内する。各札所ではガイドチームの生徒が、ガイドブックのような一般的な解説だけではなく、「高校生ならではの視点で、自分たちが面白い」と思えるポイントを選んで紹介。広報チームは事前の広報だけでなく、当日の受付やツアー道中の案内も担当する。 10月24日にはツアーのリハーサルを行った。秩父札所連合会の事務局長を務める秩父札所10番「大慈寺(だいじじ)」(横瀬町横瀬)副住職の斉藤雄大さんは「初めてのガイドに少し緊張する様子も見られたが、訪れる人にとって楽しい体験になるようにと準備してくれている。当日同行するわれわれは最初のあいさつとして参加者への謝辞や注意事項などのアナウンスはするが、それ以外は生徒たちに任せる。説明する文章は決まっているので、メモを見ずに案内できるように残りの時間も頑張ってほしい」と期待を寄せる。 斉藤さんも同校の卒業生で、同授業がきっかけで約20年ぶりに母校を訪れたという。「今年6月から一緒に授業をしているが、みんな2カ月前まで中学生だった生徒たち。入学してすぐに始まった授業で、クラスも異なり生徒同士も初めて話すメンバーも多い中、短い期間でガイドができるところまで知識をつけている。札所巡りを新たな視点で楽しむ機会にもなり、地域の観光や活性化にもつながる。生徒たちがこの経験を通じて地域観光の一端を担う力を身につけ、将来に生かしてくれたら」と話す。 開催時間は9時~12時。参加無料で、定員は15人。秩父札所連合会サイトから事前申し込みが必要。申し込みは10月31日まで受け付ける。
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