出さなきゃよかった…。チェルシー退団で化けた元アカデミー選手6人。かつてはドイツ代表エースも所属
世界最高峰の強者が揃うプレミアリーグにおいて、アカデミー出身選手が活躍する場は限られてきている。今夏も多くの有望株が育ったクラブを離れる決断をしているが、退団してから成功を収めた選手もこれまでに多数存在する。今回はその前例として、チェルシーを退団してから大ブレイクした6人のアカデミー出身選手を紹介する。
MF:デクラン・ライス(イングランド代表)
生年月日:1999年1月14日 所属クラブ:アーセナル 在籍期間:2006年~2013年 2023年7月、アーセナルがウェストハムからデクラン・ライスを獲得する際に要した金額は1億ポンド(約190億円)。それに加え、同選手のパフォーマンスによって500万ポンド(9.5億円)が追加で支払われる。 記録的な金額で評価されるイングランド代表MFは、チェルシーの下部組織で7年間を過ごした。結果として西ロンドンのクラブは14歳の彼を放出したが、その理由のひとつとして英紙『ミラー』は2023年6月に「皮肉にも、ライスの多才さである」と伝えている。 「6番や8番としてプレーできるだけでなく、センターバックの位置に入ることもできる能力」、すなわち当時のチェルシーは同選手について器用貧乏であると評価したようだ。 しかしながら同じロンドンに拠点を置くウェストハムに移り、ライスは覚醒。2016/17シーズンにプレミアリーグ初出場を果たすと、翌シーズンには同26試合でピッチに立つ。2018/19シーズンには、マヌエル・ペジェグリーニ体制のチームで完全に主力として中盤に君臨。前年度は最終ラインに入っていたが、この年はボランチとしてポテンシャルを発揮した。 2019/20シーズンは全試合にフル出場。パスにインターセプト、タックルと、ライスはまさしく七面六臂の活躍を見せた。この頃になるとチェルシーもそのパフォーマンスを看過できず、2020年5月に『ミラー』によってクラブが同選手の争奪戦に参加したと報じられていた。 アーセナルでも鉄人ぶりは健在で、昨シーズンは全試合に出場し、移籍初年度からチームに欠かせない存在感を放っている。今季も出場停止処分を受けたトッテナム戦以外ではピッチに立っており、攻守に躍動している。