「AI学芸員」が作品解説 宇奈月でクローン文化財降臨展
文化財や名画の複製を集めた「クローン文化財降臨展」を開催中の富山県の黒部市芸術創造センター・セレネ美術館(同市宇奈月温泉)は、生成AI(人工知能)を使った作品解説動画を公開した。学芸員のアバター(分身)が作品の魅力や時代背景を説明しており、スマートフォンやタブレット端末で見ることができる。 会場で作品横のQRコードからユーチューブの動画にアクセスすると、学芸員の中村賢一さん(52)にそっくりのアバターが登場。ゴッホ「星月夜」やドガ「青い踊り子たち」など10作品の内容や時代背景を説明する。会場の解説文よりも詳しい内容で、英語版もある。来場者はイヤホンを持参して視聴する。 動画は地元の建設会社、大高建設が作成した。同社はICT(情報通信技術)を積極的に活用しており、今年、工事の紹介動画を生成AIで作っていた。セレネから依頼を受け、動画生成AIツールに解説文と中村さんの映像を取り込み、声や表情を再現した。
専用の機器が不要で、学芸員の不在時でも解説を聞くことができる。中村さんは「作品についてもう少し知りたいという時に便利なツール」と話し、今後の常設展などでの活用も考えている。 同展は23日まで。セレネ美術館、黒部・宇奈月温泉観光局、北日本新聞社主催。