能登半島地震「工芸作家チャリティーオークション」開催!金沢の陶芸家が立ち上げ100名が出品
令和6年能登半島地震への支援として、全国の工芸作家100名余りの作品による、100パーセント寄付のチャリティーオークション「工芸作家チャリティーオークション」が開催されます。開催期間は、2月2日(金)0時から4日(日)23時59分までの3日間。金沢を中心に、全国で活躍する人気作家たちが名を連ねています。
オークションを主催するのは、金沢で活動する陶芸作家の今西泰赳(ひろたけ)さん。筑波大学で分子細胞学を研究していましたが、博士号の習得と同時に陶芸家に転身したという、異色の経歴をもつ作家です。 1月1日は奈良の実家で地震のニュースを知りました。1月4日、金沢に戻って割れてしまった作品の片づけをしながら、次々と入ってくる能登の被害状況に危機感を抱き、1月7日に早くもこのオークションを完全ボランティアで立ち上げることに。 「地震という自然の破壊行為に対して、ものを作る人間として何かできないだろうか?」 そんな今西さんの思いに賛同し、1月31日時点で、東は秋田から、西は沖縄まで、14都道府県の工芸作家たち100余名の出品が決まっています。
「私は、以前は信楽で活動していましたが、産地を越えた工芸作家同士のコミュニティは広くて、強いんです。友達の友達はみんな友達という感覚。今回も多くの作家仲間が参加してくれました。金沢美術工芸大学、金沢卯辰山工芸工房、輪島漆芸技術研修所、九谷焼技術研修所、富山ガラス造形研究所など、北陸には工芸の学び舎がたくさんあります。そこから旅立った作家たちにとって、北陸は青春の礎となっている場所。いまは違う場所で制作している作家たちも、北陸のために何かしたいと思いを寄せてくれました」と今西さん。
それにしても、立ち上げまでのスピードの早さ、そしてそこに賛同する作家たちの多さに、北陸工芸の底力を感じます。 「じつは、ウクライナ危機の際にも、同じようにチャリティーオークションを開催したのです。戦争が始まって2カ月後くらいだったでしょうか。そのときは、50名の作家に参加していただいて、約200万円が集まり、日本赤十字社とユニセフ親善大使 黒柳徹子 ウクライナの子どもたちのためのUNICEFに寄付しました。今回はその経験を生かして、震災からあまり間を置かずに立ち上げることができました」(今西さん)