殉職した警察官２人の冥福を祈った警察葬＝山形市・パレスグランデール

　7月の記録的大雨で、救助要請を受けて新庄市本合海の現場に向かい、パトカーごと流されて殉職した新庄署交通課の佐藤颯哉（そうや）巡査部長＝当時（29）、警部に2階級特進＝と同署真室川駐在所の玉谷凌太巡査長＝当時（26）、警部補に2階級特進＝の警察葬が17日、山形市のパレスグランデールで営まれた。参列者が県民の安全確保のために職務を全うした故人の冥福を祈った。 　関係者約350人が参列した。追悼の辞で鈴木邦夫県警本部長は佐藤さん、玉谷さんの職務歴や功績に触れ「県警に欠くことのできない若き人材を失ってしまった。2人の崇高な意思を受け継ぎ、山形県の治安維持にまい進する」と誓い、遺影に深々と頭を下げた。 　来賓の吉村美栄子知事、森田広県議会議長、北村正敏県公安委員長が弔辞を読み上げた。2人と県警察学校第76期初任科過程の同期生の永井涼さんは、言葉を詰まらせながら思い出を語り「突然の別れを今でも受け止めることができない。私たち同期生の誇りです」と声を絞り出した。

　迫田裕治警察庁警備局長が旭日単光章を、小山巌東北管区警察局長が警察功労章を、それぞれ伝達した。県警察官友の会（会長＝寒河江浩二山形新聞会長・主筆）などが送った佐藤さん、玉谷さんへの感謝状が祭壇に掲示された。 　2人は7月25日夜、住民の救助要請を受け、パトカーで出動。大雨でパトカーごと流されて行方不明となり、その後死亡が確認された。県警の警察葬は2008年以来。