マイチェンで「歴代最強」 フォルクスワーゲン・ゴルフ R 試作車へ試乗 最高水準の魅力に揺るぎナシ!
容易に圧巻の走りを披露 エンジンとシャシーが調和
12psパワーアップしたとはいえ、EA888型2.0L 4気筒ターボの印象は、フェイスリフト前とさほど変わりない。6800rpmまで颯爽と回り、ターボラグはほぼなく、たくましい動力性能を簡単に引き出せる特徴もそのままだ。 ゴルフ Rのハイライトは、このパワートレイン。これほど容易に、圧巻の走りを披露してくれるモデルは数少ない。ただし、踏み初めのアクセルレスポンスがやや過敏。穏やかに発進させたい時は、慎重に右足を傾ける必要がある。 7速DSGは、素早く次のギアを選択する。最も熱いドライブモードでマニュアルを選ぶと、リミッターに当たってもシフトアップしない制御もうれしい。 シャシーも、パワートレインと調和するように敏捷。コントロールしやすいだけでなく、エンターテインメント性も高次元で叶えている。フェイスリフト前からそうだったから、驚くことではないかもしれないが。 アダプティブダンパーは標準装備になり、極めてタイトな姿勢制御を実現。ステアリングは自然な重み付けで、強力なグリップ力と相まって、正確にライン取りしていける。 もちろん、しゃかりきにラップタイムを競うだけのクルマではない。ドライバーが望めば、踊らせるようにゴルフ Rを扱うことも難しくない。Rモードがアップデートされ、四輪駆動ながら、アクセルペダルの加減でノーズの向きを調整しやすくなった。
最高水準の魅力に揺るぎはない
ドライバーとの深い一体感では、前輪駆動のホンダ・シビック・タイプRの方が勝る。それでも、メルセデスAMG A 35より、遥かに軽快に振り回せる印象がある。 今の自動車業界は、CO2削減へ最大限の努力が求められている。フォルクスワーゲンが、ゴルフ Rのアップデートへ割り当てられた予算は小規模だったのかもしれない。しかし、そもそも完成度の高かったホットハッチは、一層研ぎ澄まされようとしている。 量産仕様のステアリングホイールを握るまで、具体的な評価は避けたい。それでも、最高水準の魅力に揺るぎはないようだ。
フォルクスワーゲン・ゴルフ R(プロトタイプ/欧州仕様)のスペック
英国価格:-ポンド 全長:-mm 全幅:-mm 全高:-mm 最高速度:249km/h 0-100km/h加速:4.6秒 燃費:-km/L CO2排出量:-g/km 車両重量:1475kg(予想) パワートレイン:直列4気筒1984cc ターボチャージャー 使用燃料:ガソリン 最高出力:332ps/5600-6500rpm 最大トルク:42.7kg-m/2100-5500rpm ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック(四輪駆動)
ジェームス・ディスデイル(執筆) 中嶋健治(翻訳)