宮城の珍味ホヤ 、復興は「韓国頼み」の現実
地元でさえ敬遠する人も
ホヤは東北出身者を中心に愛好家は多いが、国内全体では知名度が劣る。また、加工や流通の状態が悪いと独特の臭いが出るため、地元でも敬遠する人は多い。 ホヤ加工生産業、三陸オーシャン(仙台市)の木村達男社長(61)は、仙台市内でも「嫌いな人が多いのでうちでは扱わない」という飲食店が多く、驚いた。「鮮度の高いホヤをよい食材にあわせれば愛好者は増えるはず。誰もやってこなかった」と感じる。「ほや三升漬」など食べやすい新商品を開発したり、ホヤ普及イベントを検討している。 東北新幹線の車内販売でおなじみの、漬け込んで乾燥させた加工品「ほや酔明」を作っている水月堂物産の阿部壮達さんは、「ホヤの話題を震災で絶やしてはいけない」と思い、赤字覚悟で北海道から希少で高価なホヤを調達し、商品を作り続ける。 宮城県南三陸町では、天然ホヤが水揚げされた。宮城県漁協支所が今年開業した直売所では、連日完売が続く人気ぶりで、直売所での販売に期待を込める。漁師の村岡賢一さん(63)は「いいホヤを育て、消費者に直接届ける仕組みを整えたい。漁師の意識も変わっていければ」と意気込む。