パート先から契約社員になってほしいといわれました。契約社員になるメリットってなんですか? パート社員との違いは?
最初はお小遣い稼ぎのつもりでパートとして働き始め、それから勤務態度を評価されて、「もう少し労働時間を長くして働いてほしい」と言われた……など、女性の働き方が変わることはよくあることです。 人手不足の中で、パート社員から契約社員、短時間正社員、正社員などいろいろな働き方を利用しながら、いかにこの人手不足を補うかというのは企業にとって大問題です。 ただ、正社員の都合によって正社員以外にしわ寄せがくるのはよくあること。しわ寄せされる契約社員やパート社員はいずれも「非正規職員」といわれる分類ですが、違いが分からないという方もいらっしゃるでしょう。それぞれどのような雇用形態なのかを知り、自分のキャリアを考えてみるのはいかがでしょうか。
パート社員と契約社員……何が違うの?
パート社員や契約社員とは、いずれも非正規社員の呼び方の1つです。勤め先によっては、「時給で働いている方をパート社員とする」などという独自の定義はあるかもしれませんが、いずれにせよ非正規社員の分類内で、それぞれがはっきり分かれる定義はほとんどないといえるでしょう。 契約社員は「契約期間がある社員」のことをいいますが、「パート社員はまとめて“雇用契約を4月1日から3月31日まで”とする」というような契約を毎年自動更新で行う会社もあります。 ただ、パート社員よりも契約社員のほうが正規の社員に準じる働き方、たとえば、パート社員なら労働時間が自由に決められ、契約社員は労働日や労働時間が正社員に準じるという違いのあるケースが多いかもしれません。つまり、これらの違いというのは、説明が難しいといわざるを得ません。
就業規則、契約書…ちゃんと書面で労働条件を確認できていますか?
前段では、パート社員と契約社員にはほとんど違いはないと説明しました。ただ詳細については、企業独自の取り決めとなりますので、就業規則や雇用契約書などの「書面」を見ないことにはわかりません。 書面における定義によって、採用後のキャリアアップのステップや研修制度が違ったり、福利厚生や賃金構成などが異なったりすることもありますので、自分の会社ではどの社員が何と定義されているかを確認するのは大切なことです。 契約期間の定めはもちろんのこと、 ・契約期間終了後はどうなるのか ・同条件で自動更新をするのか、それとも5年後に無期雇用社員への転換してもらえるのか ・転換後の条件は固定給か ・手当や賞与はつくのか など、確認するべき項目はたくさんあります。 近年、給与明細はウェブ上で確認できる、就業規則はクラウド上でダウンロードできる形式、もしくは雇用契約書を電子交付するなど、デジタル化が進んでいる関係で、わざわざ印刷する手間を省いている人は多いでしょう。社会保険料や税金がどれくらい控除されているのか、自分で把握していないこともあるはずです。このような不確定な部分を確認するのが書面なのです。