ウクライナ人ブレイキン選手「踊ってないで軍隊に行け」批判に反論「国を代表してオリンピックの舞台で勝ちたい」
世界中から一流アスリートたちが集い、手に汗にぎる熱戦を繰り広げるパリ五輪。スケートボードやBMXなどストリートカルチャーから生まれたアーバンスポーツの人気が高まるなか、今回新たにオリンピック競技に加わったブレイキンの注目度が急上昇。日本勢への期待はさることながら、ロシアとの戦争が続くウクライナのブレイキン代表選手が話題を集めている。 【写真】2024パリ五輪、セレブ&アスリートの豪華衣装まとめ
現在34歳のウクライナ人ブレイクダンサーKuzya(オレグ・クズニェツォフ)選手。2024年6月、ハンガリー・ブダペストで開催されたオリンピック予選シリーズ第2戦でパリ大会への出場権を獲得。ロイターの取材に応じたKuzya選手は、2022年2月からロシアによるウクライナへの軍事侵攻が続くなか「国を代表してオリンピックの舞台に立つことは自分にとっての使命」と語った。
戦時中という状況において、ダンサーとして誤解されていると感じることもあるという。「毎日ヘイトを向けられているとは言わない。でもときどき『国が大変なときに何をしているんだ?』『軍隊にでも行けよ』というコメントが届く」とKuzya選手。それでも「選手たちはみなウクライナの代弁者」「自分はずっと戦っているし、オリンピックでもベストを尽くす」と、ネガティブな意見に力強く反論した。
Kuzya選手は、競技に関わらずウクライナ代表選手たちが強いられた過酷な準備期間についても言及。「もし練習中に警報が鳴ったら、選手たちは練習を中断して地下へ行き、爆撃から身を守らなければならない。これがフェアだと言えるか?」。精神的にも肉体的にもシビアな環境で、140人の選手がウクライナ代表としてオリンピックに出場することが「いかに“クレイジー”なことであるか」を改めて強調した。ブレイキンはオリンピック最後の週末となる8月9日(金)、10日(土)に実施される。