突然大発生、道をはい回る芋虫の大群はどこから来た 殺虫剤もあまり効かず「駆除しても…」 リンゴの葉食い荒らされ農家困惑、正体は?
「地域の至る所で芋虫が大発生」
「地域の至る所で芋虫が大量発生しています。どんな虫なのか調べてほしい」。こんな投稿が長野市真島町の女性から本紙「声のチカラ」(コエチカ)取材班に寄せられた。大量発生している地域はどんな状況か、記者が現地を訪ねた。 【写真】ハスモンヨトウはこんな芋虫
投稿のあった9月26日、果樹園が広がる真島町に向かうと、農道に大量にはい回っているのが見えた。車通りの多い場所では、芋虫を踏みつぶした車のタイヤの黒い跡が2筋、はっきりと残っていた。
リンゴやモモなどを栽培している地元の中沢栄一さん(66)によると、大量発生したのは1週間ほど前。殺虫剤を何種類か試したが効果は薄く、目につく範囲でつぶすなどしたが「駆除しても駆除しても出てくる状況」。最近植えたリンゴの苗の新芽を食べられてしまったという。
一時は玄関先に足の踏み場がないほどおり、中沢さんは「これでも落ち着いたほう」とする。真島町以外の被害も耳にしており「野菜の葉を食われてしまった家も多い」とため息をついた。
正体はガの幼虫
芋虫の正体は、ガの幼虫「ハスモンヨトウ」だ。長野県病害虫防除所(須坂市)は「ハスモンヨトウ」が地域によって大量発生しているとして、病害虫発生予察地区報を出した。大豆やアスパラガス、葉物野菜などさまざまな農産物の葉を食い荒らすといい、早期の発見、駆除を呼びかけている。
台風に伴って飛来か
同防除所によると、温暖な気候が長く続いたことに加え、台風に伴う南風に乗って県外から飛来してきたことなどが原因として考えられるという。