夫が寝ている間に…「認知症」の妻が失踪、行方不明から10か月 探し続ける夫、自身の経験を伝えたい…犯してしまった「3つの間違い」とは?
最近は、長年撮影し続けていたホームビデオの映像を見返し、いまだ帰らぬ妻の姿を、目に焼き付ける日々です。 荒川勉さん 「これは家族みんなで広島の方に旅行に行ったときの映像です。子どもが生まれた時からずっと記録は残しています。泰子の姿もちゃんと残っているんですけど、やっぱりあんまり見るとちょっと悲しくなるので、たまに思い出したときに見ています。 もうこういう時代は帰ってこないんでね。本当にまさかこうなるなんて誰もこの時は思いませんからね。人の運命はわからないですね」 勉さんは、泰子さんを探すためにSNS投稿を連日続け、情報提供を呼びかけてきました。 今年4月には、泰子さんのことを扱ったテレビ番組が全国放送され、直後は大きな反響がありましたが、次第に情報は少なくなっていると言います。 荒川勉さん 「人間というのは忘れてしまう動物なので、やっぱり泰子のことをですね、忘れて欲しくないんですよね。だから少しでも皆さんのところに情報を届けくように、毎日Xを投稿しております」 一方で勉さんは、同じ悩みに苦しむ人たちとの情報交換も始めました。 公益社団法人「認知症の人と家族の会」の活動に参加。1人でも多くの認知症行方不明者が見つかるように、そして今後、認知症で行方不明となる人が、1人でも少なくなるようにするにはどうすればいいのかを、自身の経験とともに伝える活動も始めています。 荒川勉さん 「全国で、私みたいに悲しい思いをしている家族の方がたくさんおられるんです。だけど、その行方不明になっている人たちを探し続けるという組織って今ないんですね。そういった組織をですね、立ち上げたいなと考えております。 そして、行方不明者の捜索の初動捜査は早ければ早いほどいいんです。だから行方不明になった当日、なるべく早く警察の方に届け出をして、1分でも早く捜索を始める。もうこれが一番基本だと思います。そういったことを伝えて、少しでも認知症の行方不明者の数を減らせるようにしたい」