【明治神宮大会】東海大札幌が完封8強 良きライバルWエース矢吹、高橋「高め合ってこられた」
<明治神宮大会:東海大札幌3-0大垣日大>◇高校の部1回戦◇20日◇神宮 10年ぶり5度目出場の東海大札幌(北海道)が、大垣日大(東海・岐阜)に完封勝ちし、前回出場の14年に続く初戦突破で8強に進出した。左右のダブルエースが躍動。先発した背番号7の左腕、矢吹太寛(たお)投手と2番手の背番号1右腕、高橋英汰投手(ともに2年)が4回ずつを無失点。9回は1年生右腕の砂田左漸(さぜん)投手が三者凡退で締めた。全道から4戦連続での継投策がハマり、16年校名変更後では初の全国勝利をもたらした。 ◇ ◇ ◇ 東海大札幌が完封リレーで勝ちきった。雨が降り、試合開始時7度の寒空でも北海道代表にとっては苦にならなかった。遠藤愛義監督(40)は就任3カ月で全国での初采配勝利を挙げ「先制点をうまく取れて、ピッチャーがしっかりと投げて守り勝てて、今まで通りのいい展開だった」とうなずいた。 先発の矢吹は3回2死二、三塁のピンチも、122キロのスライダーで中飛に打ち取り、冷静に切り抜けた。4回まで0を並べていたが、5回から高橋にスイッチ。同監督は「だんだん相手のスイングが合ってくるイメージがあったので、ちょっと先に動いて」。3投手無四球の安定感と思い切った先手必勝で、相手打線を封じた。 左右のダブルエースは良きライバル同士。高橋がエースナンバーを背負い、矢吹は「1番はつけたいけど、試合が始まったら自分がエースだっていう気持ちで投げている」と切磋琢磨(せっさたくま)する。1年秋に公式戦デビューしている矢吹に対して、2年春デビューの高橋は「追いつき、追い越すという感じでやっていた。高め合ってここまでこられた」。全道準々決勝クラーク戦(3-1)から4試合連続の継投勝利だ。 開幕1週間前から東京入りして調整。指揮官の母校・東海大相模との練習試合は0-1(9回制)、4-0(5回制)で、手応えがあった。22日の準々決勝・広島商戦に勝てば、同校初の神宮ベスト4。16年に東海大四から東海大札幌に校名を変更。指揮官は「胸を借りるつもりでやってきたものを出し切り、歴史をつくっていけたら」と思い描いた。【保坂果那】