【箱根駅伝】度重なるケガで"消えた笑顔" 最後の箱根路へ花尾恭輔を鼓舞した4年生の仲間たち
その安原選手は、学生世界一を決めるワールドユニバーシティゲームズで5000m銀メダルを獲得。最後の箱根は一緒に走りたいと、自らが戦う姿で花尾選手を鼓舞しました。 花尾選手も「世界の舞台で戦っている姿は本当に感動しましたし、ちょうどケガの最中だったので、すごく元気をもらいました」とその気持ちを受け取り、8月の夏合宿では練習できるまでに回復していきました。
■走るはずのない出雲駅伝に登録
そして10月の出雲駅伝。篠原倖太朗選手(3年)、佐藤圭汰選手(2年)、鈴木芽吹選手(4年)のトリプルエースが活躍し、一度もトップを譲らず優勝した駒澤大学。実はその登録メンバーに、出雲駅伝には間に合わなかった花尾選手の名前がありました。 なぜ走らない花尾選手を登録したのか、藤田敦史監督は「(登録の)10人目をすごく悩んでいるという話をしたときに、キャプテンの鈴木や上級生の意見を聞いて、花尾という存在はこれから2年連続の3冠を狙っていく上で間違いなく必要な人材だから、(メンバーに)入れてもらった方がチームとして3冠をとりにいくぞという雰囲気が出る、という意見が出て、それで入れました」と話します。 提案したのは同期のキャプテン・鈴木芽吹選手。花尾選手とは1年生の時から一緒に駅伝を走ってきました。 鈴木「花尾がメンバーに入ることで、何か変わるきっかけになれば良いかなと思っていて、僕としても藤田監督としても、あの選択は絶対間違っていなかったと思っている。チームとしてすごくいい選択だったと思っています」と振り返ります。
入学したとき同期で誓った"100回大会での優勝"。その優勝は史上初・2年連続の大学駅伝3冠につながります。『獲りにいくのは花尾も一緒』そんなメッセージが込められていました。 花尾「ありがたいですよね、すごく。チームにできたことってあるのかなと思っていた中だったので、今まで頑張ってきたのが少しずつ報われているのかなと思いましたし、それと同時に勝たなきゃというか、頑張らなきゃという気持ちになりました」