仙台大新体操競技部が創部35年目で初の大学日本一! “栄養サポート”も実り、「全員」で手にした栄冠
それでも、課題を克服すべく毎日の練習に汗を流し、時には部員間で意見をぶつけ合い、神野監督が「チームワーク、印象の良さを訴える力があった」と評するほどの一体感を醸成した。 「Bチームの中にはいろいろな思いを抱く子がいたと思うけど、Bチームのメンバーも同じ熱量で練習してくれたし、応援もしてくれた。仙台大学の全員で勝ち取れた優勝なので、感謝の気持ちを忘れずに次に向けて頑張ります」と碩。部員17人全員で成し遂げた快挙だった。
「スポーツ栄養研究会」が捕食の考案や料理教室を実施
碩の言う「仙台大学の全員」に含まれるのは新体操競技部の選手、指導者だけではない。選手たちの栄養サポート活動を行う学内の団体「スポーツ栄養研究会」も躍進を後押しした。スポーツ栄養学科の現役学生が所属する研究会で、競技力向上を目的に新体操競技部を含む12の運動部をサポートしている。 新体操においては、女子は特に審美性が求められるため、体脂肪が少ない体型が理想とされる。一方、手具を投げる、ジャンプするなどの動きのためには筋力も必要で、体のコンディションを整えるのは容易ではない。 そんな中、スポーツ栄養研究会は新体操競技部から共有されるインボディ測定の結果をもとに各選手のコンディションを把握した上で、欠食の有無や食事内容に関するアンケート調査を実施。それぞれの状況に応じて、1食に必要な食事量を伝えたり、減量中でも食べることのできる間食、補食を考案したりして選手を支える。
手軽に作れる料理レシピを伝授する料理教室も季節ごとに実施。また主要大会には研究会のメンバーが帯同し、大会期間中に体重変動に影響の少ないヨーグルトドリンク、チョコレートムース、アセロラオレンジなどの疲労回復メニューを提供する。 体育大学ならではの「サポート力」も証明した大学日本一。担当教員の真木瑛講師は「自分が学生の時も研究会に所属して新体操を担当していたので、日本一になってすごく嬉しい」と笑顔を浮かべ、スポーツ栄養学科卒業生の菅松蒼生新助手も「演技を見て鳥肌が立つくらい感動した。食事の面で我々にできることが少しでもあるのであれば、今後もいろいろな方面からサポートしたい」と声を弾ませた。