借りパク注意! レンタル先で大活躍中のJリーガー(7)降格危機を救うFW。J3、J2から這い上がった苦労人
選手が定められた期間に他クラブへ移籍する制度である「レンタル(期限付き)移籍」。2024シーズンのJリーグでは、数多くの選手がレンタル移籍で新天地を求めた。なかには加入後すぐに貴重な戦力となってチームに貢献している選手も存在する。今回は、レンタル先で存分に実力を発揮しているJリーガーをピックアップして紹介する。※成績は『transfermarkt』を参照
FW:渡邉りょう(わたなべ・りょう) 生年月日:1996年10月25日 保有元クラブ:セレッソ大阪 レンタル先クラブ:ジュビロ磐田(レンタル期間:2024年7月~2025年1月) 2024リーグ戦成績(レンタル後):8試合1得点1アシスト もしもジュビロ磐田がJ1残留を果たすことができれば、今夏に渡邉りょうをレンタル移籍で獲得した判断が大きなターニングポイントになったと言えるだろう。 2024シーズン、磐田は2年ぶりにJ1リーグの舞台へと立っている。しかし、かつてJリーグを席捲した“サックスブルー”はシーズンを通して苦戦を強いられており、ここまでの最高順位は11位。一度もトップ10に食い込むことなく、むしろ残留争いに巻き込まれる時期の方が長い。 今年7月、磐田は前線を強化するべくセレッソ大阪から渡邉をレンタルで獲得した。J3リーグに所属していたアスルクラロ沼津や藤枝MYFCで地道にキャリアを積んできた“苦労人”に得点力アップのタスクを託したのだ。 シュート技術が高いだけでなく裏抜けの選択肢も持つ渡邉が加入したことで、磐田は攻撃が活性化。エースのジャーメイン良にマークが集中して攻めが停滞する場面も少なくなかったシーズン前半戦と比べ、「的の絞りにくさ」が大幅に増した。 加入後の成績は8試合1得点1アシストとそこまで爆発的な数字とは言えないが、味方により多くの自由を与えるという、スタッツに残らない仕事をこなせる点が渡邉の魅力だ。 とはいえ、現在磐田は降格圏内の18位に沈んでおり、残留に向けて引き続き予断を許さない状況が続く。残すところ、リーグ戦はあと5試合。磐田がわずか1年でJ2リーグに逆戻りしないためにも、渡邉にはさらなる活躍が求められている。果たして、雑草魂を持つ28歳のアタッカーは名門の救世主となれるか。
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