FA去就注目のソフトバンク甲斐拓也、昨オフは単年契約 「補強ポイント」巨人は獲得レース参戦か
2024年、今オフにFAで去就が注目されている選手の一人が、ソフトバンクの甲斐拓也だ。 ■「甲斐キャノン」武器に日本を代表する捕手に 育成入団から球界を代表する捕手に進化した。「甲斐キャノン」と形容される強肩を武器に、18、21年とリーグトップの盗塁阻止率をマーク。 広島と対戦した18年の日本シリーズではシリーズ新記録の6連続盗塁阻止を達成し、育成出身で初のMVPを受賞した。 17年から4年連続日本一の中心選手として活躍し、侍ジャパンでも東京五輪の金メダル獲得、昨年のWBC制覇にも大きく貢献している。 昨オフの契約更改で球団サイドは複数年契約を提示したが、甲斐は固辞して単年契約を結んでいる。 今季中に取得したFA権を行使するとになれば、獲得に乗り出す球団が出てくるだろう。
常勝軍団を支えた甲斐の経験
その有力候補とみられるのが巨人だ。 昨年まで強打が魅力の大城卓三が正捕手を務めていたが、阿部慎之助監督が就任した今季は岸田行倫を中心とした起用法に変化。 今季15勝を挙げて自身4度目の最多勝に輝いた菅野智之が先発登板の際は、小林誠司がマスクをかぶっていた。 スポーツ紙記者は 「岸田、小林、大城とそれぞれ特徴が違う捕手だが、正捕手として満足できる水準かというと疑問符が付く。甲斐を獲得できるとなれば軸に据えられる。バッテリー強化の観点で補強ポイントに合致しますし、常勝軍団を支えた甲斐の経験は大きな財産になる」 と指摘する。 ソフトバンクは今季首位を独走して4年ぶりのV奪回を飾ったが、DeNAと対戦した日本シリーズでは2連勝の後に、本拠地・ヤフオクドームでまさかの3連敗を喫して日本一に王手を掛けられた。 敵地・横浜スタジアムで2連勝して逆転で日本一を達成できるか。司令塔の甲斐がキーマンであることは間違いない。(中町顕吾)