ロータリーエンジン復活に湧くいまFD3S型RX-7のモデルカー化が続々進行中だった
ロータリーエンジンは動力ではなく電源となってしまうのか?
「電気モーターのようなエンジンフィール」、かつてはそんなフレーズが常套句だったロータリーエンジン(RE)車のインプレッション。レシプロ車のピストンの上下運動に対して、オムスビ状のローターとエキセントリックシャフトによる回転運動がパワーを生むREゆえに、当たり前と言えば当たり前だが、それでも吸気~圧縮~爆発~排気というサイクルを組み合わせた内燃機関であることを感じさせないスムースなフィーリングはクセになりそうな気持よさがある。 【写真】世界初のロータリーエンジン車はドイツの「ヴァンケルスパイダー」! もう何年も前から(相当な期待を込めて)REの復活が話題に挙がっているが、先だって行われた第1回ジャパンモビリティショー(JMS)において、ひとつの方向性が示されたのではないかと思う。REの未来を語る際、燃料をガソリンではなく水素としたもの、あるいは動力源ではなく、モーターをまわすための発電機としたもののふたつがメインの方向性として挙げられてきた感が強い。 JMSで発表されたアイコニックSPは、後者を採っており、カーボンニュートラル燃料を使って2ローターの“発電用”REをまわして、そこで得られた電力で370馬力のモーターを駆動するという――。つまり、ドライバーがアクセルペダルでコントロールするのはREではなく、モーターということになる。 「電気モーターのようなRE」が「電気モーターの電源」になってしまった、と嘆きたくなるのをグッとこらえて、コンパクトさが身上のREだからこそできるワザだと目線を変えてみるのも悪くないのかもしれない。 そう考えると、NAのRX-8を飛び越えて(RX-8もNAゆえのREフィールがたまらないが)、やっぱりターボとREの組み合わせで「ビュイーン(稚拙な表現で恐縮だがこれに勝る表現を思いつけない)」と走る現状最後のRX-7、FD型への憧憬がやたらと強くなってしまう今日このごろだが、時すでに遅しとはこのこと。実車は高い高い。