「もう少し、長いイニングを」ソフトバンク東浜巨は久々の勝利を喜んでいなかった…先発ローテを長年守る右腕の矜持
◆西武0―4ソフトバンク(5日、ベルーナドーム) 【コラム・好球筆打】 実に大きな1勝だ。敗れていれば今季初の同一カード3連敗になり、チームの連敗も今季最長の4に伸びるところだった。踏みとどまったことで、敵地での西武3連戦を1勝2敗で終えられた。 ■「この可愛い娘誰?」名捕手の娘が豪快始球式【動画】 「貯金」を三つ減らして福岡へ戻るのと、一つ減らして戻るのでは気分も大きく違う。小久保監督も「今日の勝ちはでかい。勝つと負けるでは全然違った。今後のポイントと思っていたから」と珍しくまくし立てた。 先発の東浜が今季2勝目を挙げた。初勝利が4月12日の西武戦だから、3週間以上も白星から遠ざかっていた。その間に黒星はなく、前回登板は勝利投手の権利を持って降板も白星は手にできなかった。久々の勝利を喜ぶものと思っていたが、そんなことはなかった。 「もう少し、長いイニングを投げなければいけなかった」。散発4安打で零封リレーの先陣を切ったとはいえ、先発として最低限ともいえる5回で降板したことが許せなかったのだろう。先発ローテを任される立場としての責任感の表れだ。 一方、三者凡退が1度しかない状態でも無失点に抑えた投球は、チームにも今後の東浜にもプラスに思える。何より、白星が付いたことが一番だ。「この勝ちを大事にしないとですね」。1勝の重みを知る右腕だからこそ、何年も先発ローテを任され続けるのだ。 (石田泰隆)
西日本新聞社