「奇跡ではない」 徳田幹太が卓球学生王者に輝き、殻を破った日
「全日学」こと、全日本大学卓球総合選手権・個人の部、最終日(2024年10月31日)。徳田幹太はベスト8決定戦から決勝戦まで全試合フルゲーム(4―3)で制し初優勝。「奇跡的」とも思える試合について、徳田に振り返ってもらった。 ●─団体戦に強い印象ですが、シングルス優勝は久しぶりですね。 徳田 団体戦は得意ですが、個人戦はプレッシャーがありました。中学、高校とそこそこの成績でしたが、目標は常に優勝。今年はシングルスで結果を残さなければと考えていました。 ●─全日学への意気込みは? 徳田 秋季リーグでは調子が良く、自信はありました。ただ、春季リーグや関東学生選手権では不調でつらい時期も。同期や親の支えで「オレはできる」と前向きになれました。 ●─攻撃力と安定が両立してきたのでは? 徳田 攻撃的プレーとコースを突くバランスが取れ、「徳田幹太の卓球」が形になってきました。 ●─4連続フルゲームでの優勝をどう感じましたか? 徳田 奇跡ではなく、「頑張って良かった」という感覚です。優勝後、Tリーグ・金沢ポートからオファーをいただき、新たな挑戦の場に立てる喜びを感じています。 ●─次の目標は? 徳田 大学入学時から「世界で活躍する選手」を目指しています。尊敬する戸上隼輔さん(パリ五輪代表)のように強く優しい選手を目指しています。 ■徳田幹太[早稲田大]とくだ・かんた 2004年12月16日生まれ、愛媛県出身。伊予つばさJrで卓球を始め、全日本卓球バンビ優勝。小学4年時に心臓手術を受ける試練を乗り越え、全日本卓球ホープスベスト8、カデット13歳以下3位。野田学園中・高ではチームの主力として活躍。自己推薦入試で早稲田大に進学し、2年時の2024年、悲願の全日学タイトルを獲得