つるの剛士「僕も高校生のとき万引きをした」罪深さを認識した“父親からの一言”
タレントとしてマルチに活躍する一方、保育士資格を持つ5児の父親で“現役大学生”という、つるの剛士さん。多忙な中、2度の育児休暇をとり、積極的に「イクメン」経験を積むと、次は幼児教育の世界に飛び込み、非常勤幼稚園教諭としても勤務。また大学では、こども心理学部で“学び”を継続中といいます。そんな、保育現場も体験されている「先輩パパ」つるのさんに、ご自身の経験や気づきについて語ってもらったり、日々子育てに奮闘しているパパ&ママたちの悩みに「元気が出るアドバイス」をしていただいたりする連載です。 【マンガを読む】「25年経った今も彼らの不幸を願っている」いじめ加害者になった娘を持つ母の、“いじめを受けた”悲しすぎる過去 まさかうちの子に限って……。ということが起きるのが“子育て”ですよね。夏休みなど長期休みなど、子どもの生活からちょっと目が離れた時に、もしも「お宅のお子さんが万引きをしました」と連絡がきたらどうしますか? きっと「なんてことを……」「いやいや、何かの間違い」等々、いろいろな思いが交錯して、冷静になることも難しいと思います。そんな時、親はどのように対処するのが正解なのでしょう? 親の気構えや問題が起きる前に気を付けたいことを、大先輩パパのつるのさんに伺いました。
Q.わが子が万引きしたら、親はどう対処するのが正解?!
つるの剛士:まずは、つるの少年の実体験からお話しましょう はじめに、何度も言っていますが子育てに正解なんてないですからね! それぞれの家庭、考え方、子どもの個性、いろんな要因が絡まっての子育てですから。数値やマニュアル通りにすすまないものだということだけは、認識しておきたいところです。 そのうえで、これからお話しする僕の体験談は、一少年、一家庭の例として聞いていただき、子育ての参考としてもらえれば幸いです。
僕は高校1年生のとき万引きをしてしまった
僕が高校1年生の時の話です。部活終わりの帰り道、ふらっと地元のジーンズ専門店に立ち寄って、いいなと思ったトレーナーを手に取り試着室に入ったんです。そのトレーナを買うことができるお金は持っていたものの「ものすごく欲しい」といった強い気持ちはなかった記憶があります。ただ、試着室に入るときも店員さんから声かけがなかったし、近くにいる気配もなかったので、本当に「魔がさした」という言葉がぴたりとはまるように、そのトレーナーをバッグに入れてしまったんです。 そして、そのままお店を出ようとしたときに「君、バッグの中に何か入れなかった?」と、店員さんに呼び止められそのまま店のバックヤードに連れていかれました。 血の気が引いて、頭の中では「警察に連れていかれるんだろうか、そんなことになったら銀行員の父親は仕事を失ってしまうんじゃないか……」と、自分のしでかしたことが親の仕事に影響してしまう心配ばかりがグルグル。半ばパニックのようになりながら「もう二度としないので警察だけには言わないでください」と涙でぐちゃぐちゃな顔になりながらあやまり続けていました。 店員さんは「でもね、これは犯罪なんだ。だから、泣いて謝っても許して帰すわけにはいかないんだよ。まずはご両親に連絡をして、来てもらうからね」と言い、両親を待つことに。 それからどのくらい時間がたったのか、父と母が店に来て店員さんから事情を聞き、「申し訳ありませんでした」と頭を下げ続けていました。そんな姿を見た僕は、「親に謝らせて、なんてことをしてしまったんだろう」と改めて後悔と反省で涙が止まりませんでした。