「土足禁止でキャリーを引きずらない」当たり前のことを当たり前に、元日本代表・稲葉洸太郎監督が目指すチームづくり|フットサル
11月4日、町田市立総合体育館にてFリーグ2024-2025 ディビジョン1の第13節が行われ、Y.S.C.C.横浜とバサジィ大分が対戦。3-0で横浜が勝利を収めた。 【映像】「これは止められない!」元ブラジル代表の脅威の弾丸シュートの瞬間 試合を終え、横浜の稲葉洸太郎監督と菅原健太が記者会見に出席した。
中断期間ではいろんな組み合わせでやってきた
●Y.S.C.C.横浜|稲葉洸太郎監督 ──今日の試合を振り返って。 とにかく今日は久々に勝利ができたことが良かったです。そこに尽きるかなと思います。選手たちがハードワークして頑張ってくれたおかげなので、うれしい試合でした。 ──今シーズンは個人の強みを出すチームにしたいというコンセプトがありつつも、怪我人の影響でそれ以外もタスクも任せなければいけない状況かと思います。そのなかで選手に伝えたことや、この先の後半戦に向けて根付かせたい心持ちなどはありますか? うちにはピヴォに特徴的ないい選手たちがいるので、そこに対してボールが入ったら絡んでいくとか、サイドの選手がもっと仕掛けるという個性を出していけるようにとやってきたなかで、怪我人が出て大変な部分もありますけど、中断期間ではいろんな組み合わせをやりました。(固定の組み合わせに)固執せず「誰が出てもチームのコンセプトはこうだから、チームとしてはこの狙いをこうやっていくよ」というのが全部の選手に伝わっていると思うので、どんなセットになっても問題ない自信はあります。そういう意味では、不安要素もありますけど信頼もあります。 小林拓夢に(試合中にダメージを受けるという)先週のことがあって、今日は山口勝輝がぶっつけ本番のようなカタチで(フィクソを)やり、第1ピリオドの途中で厳しくなった時も勝輝が身体を張って存在感を示したところが大きかったです。あとは、高橋健がもう一つのセットで頑張ってくれていますし、選手がコンセプトを理解しながら締めてくれていることが大きいのかなと思います。 ──小林選手のコンディションは問題ありませんか? この前の試合中に病院に行って、脳にダメージ等はなく、ちょっとずつ復帰していく段階を追ってチェックを重ねて、「いける」となって今日はちゃんと練習が積めていないなかでの試合でした。本調子ではなかったので、身体もうまく動かなかったり、少しキツそうなところがあって一度休んで、最後パワープレーを受けたところで「必要なら使いたいから」と言って様子を見ていました。勝輝がだいぶ出て頑張ってくれたところ、最後にチェンジして、拓夢が締めてくれました。 ──前節は先制後に失点しましたが、今日の試合運びで良かった点は? 今日は「守備からしっかり入ろう」ということで矢澤大夢に先発で出てもらいました。大分もかなり個が強く、個を出して戦ってくるチームで、うちもどちらかと言えばそういうチームなので、個と個のぶつかり合いになるだろうと思っていました。お互いピヴォにしっかりとボールが収まって反転を狙ってきて、サイド選手も仕掛けるという展開のなか、ハードワークをしっかりしてくれて1対1で簡単にやらせませんでした。欲を言えばカウンターで何個かチャンスがあったので、そこでもう1点取れていればというのがありますけど、ゼロで終えられたのは、ハードワークをしてディフェンスを頑張ったからだと思います。 ──今シーズンから監督を務めている上で、「チームとしてこれはやろう」というものはありますか? 人としてちゃんとするようにということですね。環境がどうであれ、お客さんがお金を払って観に来てくれて、チームが移動などでも自分たちにお金を使ってくれているので、その時点でプロとして見られる意識をもって子どもが憧れるような選手、人間になってほしいということを常に心がけています。例えば土足禁止の場所で靴を履かないことは当たり前のことですけど、キャリーケースの車輪は土足じゃないですか。それを土足禁止のところで引っ張ってしまったら土足になるから、そこは持ち上げようとか、当たり前なことを当たり前にやるという話を最初にしています。 ピッチでは、うちはピヴォがいて、ボール回しや動きの決まりがあるので、動きのなかで相手を見てどっちを選んだほうがいいのかというチョイスは選手に委ねています。最低限のガイドラインは作った上で、相手を見てプレーを選択してほしいということは今日も伝えています。教科書通りいくわけではないし、相手も勝ちたいからチャレンジをしてきたり、セオリーならこっちを切るだろうと言うことを変えてきたりするはずなので、それを読み取って逆を取れるようにしよう、ということは伝えています。