何年経っても色褪せない…『からくりサーカス』号泣名場面の数々
■鳴海とエレオノールがついに結ばれる
鳴海はエレオノールに対して複雑な気持ちを抱いていた。エレオノールは憎むべき存在で、絶対に心を許してはいけない……。そんな気持ちをずっと持っていたからだ。 しかし、それでも本当の気持ちは隠せなかった。エレオノールとの共闘のすえにハーレクインを倒した時、鳴海のこれまでの感情が爆発してしまう。「しろがね、おまえを愛していた。」――押し殺していた言葉をようやく伝えられたのだ。 これまで何度も気持ちのすれ違いが続いていて、ふたりは結ばれないのかもしれない……。そう思っていたからこそ、この瞬間には感動してしまった。 このシーンで描かれた、エレオノールがこれまでに見せたことのないほどの輝く笑顔が素敵で、多くの苦悩から解放された感じだ。 ここに至るまでにギイやアルレッキーノたちが自らを犠牲にしたことも思い出され、余計にしみじみとしてしまう、感慨深いシーンだった。 『からくりサーカス』は18年前に連載終了した作品だが、印象に残る感動の名場面が数多くある。今回紹介したもの以外にもたくさんあるので、読んだことのない人にはぜひ一度手にとっていただきたい。
大山元