日本のあの名曲が日本語のまま韓国のテレビで…「韓日歌王戦」に韓国ネット民が思わず「反日コメント」を封印した理由
日本のあの名曲が日本語のままで
韓国の視聴者たちの反応を見ていく中で、筆者がいちばん驚いたことは、ネットの世界に溢れる反日感情がもりこまれた「悪質コメント」が全く見当たらなかったという点だ。 逆にむしろ、「多くの韓国人はあなたの歌を聴いて魂が癒された!」「日本語がこんなに美しく聞こえたのは初めてだ」「一生日本を憎みながら生きてきたのに、この歌を聴いて泣いてしまった。感動的な歌をありがとう」「日本語はわからないけどなぜか涙が出るほど美しい」など、日韓間の複雑な感情を越えて音楽が与える感動を素直に表現するコメントが主となっている。 「倭色」という理由で日本の大衆文化に対して厚い扉を閉めていた韓国が、日本文化に対して門戸を開放し始めたのは、1998年金大中政権時代だ。その後、3回の段階的な開放を経て、2004年には「全面開放」した。 ただ、地上波放送局ではいまだに「国民感情」を考慮し、日本語の歌については自主審議を行っていて、国際歌謡祭などの実況中継でなければ、韓国の地上波テレビで日本語の曲を放送することを極度に控えているのが実情だ。 2018年、宮脇咲良など3人の日本人メンバーが含まれるガールズグループ「IZ*ONE」の新曲「好きになっちゃうだろう?」が「日本語歌詞」を理由にKBSとMBC、SBSで放送不適格判定を受けたことがあり、「SHINee」のメンバーの故ジョンヒョンの遺作である「リワインド」も日本語の歌詞が含まれているという理由でKBSから放送不可判定を受けた。 それが、今や、日本のあの名曲が日本語のままで歌われ、韓国の視聴者から熱いエールを受けているのだ。素晴らしい音楽は国境も越え、国民感情も越え、聞く人々に感動を伝えるという真理を改めて感じている今日この頃である。 【さらに読む】『BTSジョングクも『NIGHT DANCER』を大絶賛…! 韓国でいま「J-POP人気」が爆上がりしているのはなぜか? 』
金 敬哲(ジャーナリスト)