会社に壊されない生き方(1) 会社に壊されるくらいなら会社をやめよう
会社を辞めると、待っているのは“転落人生”なのか?
それでも、会社はなかなか辞めがたい。日本労働組合総連合会(連合)が2014年11月に発表した「ブラック企業に関する調査」では、自分の会社が「ブラック企業」だと感じているにもかかわらず転職しない人の理由として、「再チャレンジが難しい」が半数を占めたほか、「転職活動の時間がない」「どこも似たような環境だと思う」「今の職場を辞めたら生活が成り立たない」という回答が上位を占めた。たとえ今の職場が劣悪な環境でも、一旦会社を辞めてしまえば、「待っているのは“転落人生”ではないか」という恐れが、わたしたちの足をすくませる。 だが、「楽して生きている人なんていない、人生は苦しいものなんだ。だから逃げちゃダメだ」と我慢するのはもうやめて、会社を辞める恐怖も乗り越えて過重労働の日々に終止符を打って新たな道を探りたい、と考えるのは、ただの「逃げ」なのだろうか。 別に、好きで過重労働に挑むなら構わないだろう。その挑戦から勝ち取る成果もあるはずだ。だが、図らずも過重労働に陥って、過労死のリスクを背負ってまでがんばる理由がなければ、苛烈な労働環境から降りて別の道を探したっていい。 この連載では、そんな「会社に壊されない生き方」を模索し、選択する人々や、そうした生き方につながるヒントを紹介する。 (取材・文:具志堅浩二)