岩手県一関市が発注する公共工事の情報を提供した見返りに業者から飲食の接待を受けたとして、市の幹部職員だった５９歳の男が５月２８日に逮捕されました。 業者の元役員の６８歳の男も逮捕されています。 加重収賄と官製談合防止法違反などの疑いで逮捕されたのは、一関市の元職員・那須野長己容疑者（５９）、贈賄などの疑いで逮捕されたのは一関市三関に本社がある永沢水道工業の元役員・千葉敏郎容疑者（６８）です。 警察によりますと、那須野容疑者は市の職員だった２０１９年５月から約３年間に、市が発注する水道工事などの入札に関する情報を提供した見返りに、千葉容疑者からあわせて二十数万円相当の飲食の接待を受けた疑いが持たれています。 警察は捜査に支障があるとして２人の認否を明らかにしていません。 那須野容疑者は２０２０年１月から２０２１年の９月までに入札が行われた５件の工事の情報を漏らした疑いがあり、永沢水道工業はこのうち３件の工事を落札、落札額は合わせて１億４０００万円余りでした。 県警は一関警察署に合同捜査本部を設置し、余罪を含め事件の全容解明を進めています。 元職員の逮捕を受け一関市の佐藤善仁市長は「大変驚いている。現時点では何もわかっていないが、捜査には全面的に協力する」とコメントしています。