麻布台ヒルズの「オラファー・エリアソン展」速報レポート。11月24日開館
麻布台ヒルズギャラリー
麻布台ヒルズギャラリーは、低層階の建物「ガーデンプラザA」MB階にある。森JPタワーから行く場合は中央広場を抜け、屋外を歩いて5分ほど。もしくは神谷町駅から地下で直結している。 会場に入ると、《蛍の生物圏 (マグマの流星)》(2023)が反射させるオレンジの光に包まれる。小さな多面体は関連する16の吊り彫刻シリーズのひとつで、スタジオ・オラファー・エリアソンの数十年にわたる研究が結晶化したもの。 次の展示室には、《終わりなき研究》(2005)。振り子を用いて幾何学像を生成する機械「ハーモノグラフ」に紙をセットすると、回転運動の力によって、ペンが円運動のリズムを記録する。本作はスタジオ・オラファー・エリアソンが行った空間と音の相関関係についての研究の一部だという。(動く様子は下部にあるInstagramの投稿から見てほしい) 同じ展示室には、ほかにもドローイングや立体作品がある。上部にファンが取り付けられた《呼吸のための空気》(2023)は本展のための新作。《相互に繋がりあう瞬間が協和する周期》と同じモジュールとリサイクル素材を使用しており、これらの2作品は作家が再生金属に特化して制作した初めての作品だ。 水を使った大型インスタレーション《瞬間の家》(2010)は本展の見どころのひとつ。天井高5m、全長20mを超える暗闇の空間にストロボの光が瞬間的に照らされ、その瞬間瞬間に水の動きが彫刻のように浮かび上がる。水と光によって無限に生み出される曲線の抽象表現からは、一瞬と永遠、主観と客観、内と外、重力と反重力といったものへの思考を誘う。これもエリアソンが長年取り組んでいる幾何学形体の研究や自然素材に内在する美しさを表現した作品のひとつだ。
カフェ、ショップ
1階下がると麻布台ヒルズギャラリーカフェとショップがある。 麻布台ヒルズギャラリーカフェ。料理はビュッフェスタイルでランチが3850円、カフェ1650円、ディナー4620円(すべて税込) カフェでは展覧会の会期中限定で、スタジオ・オラファー・エリアソン キッチンとコラボレーションし、東京近郊の食材を使用した特別メニューを考案。ベルリンにあるエリアソンのスタジオに日本からシェフを派遣し、本展のためのオリジナルメニューを共同開発した。
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