馬毛島基地整備で活況…種子島で日本版ライドシェア参入へ 市丸グループが申請、運転手不足の鹿児島市も
タクシー事業者の管理下で一般ドライバーが有料で客を送迎する「日本版ライドシェア」について、鹿児島市と種子島1市2町で営業する市丸グループのタクシー会社2社が参入を求め、九州運輸局鹿児島運輸支局へ申請したことが17日、分かった。運転手不足や西之表市馬毛島の自衛隊施設整備関係者の需要増加に対応する狙い。 【写真】〈関連〉「日本版ライドシェア」参入を九州運輸局へ申請した市丸グループの本社=17日、鹿児島市錦江町
鶴丸交通(鹿児島市)と市丸タクシー(西之表市)。鶴丸交通は運転手不足の影響で、1カ月の予約約5万件のうち1万件ほどをキャンセルしている。市丸タクシーでは工事関係者の需要が増えたほか、種子島空港と1市2町を結ぶバス廃止に伴い4月から乗り合いタクシーを請け負ったことで、運転手がさらに足りなくなった。 同グループによると、国土交通省が今月公表した規制緩和方針を受け申請。立神剛総務課長は「運転手の仕事は奪わないようにしつつ、これまで対応できなかったお客さまのカバーにつなげたい」と話した。 同支局は13日付で申請を受理。両区域内のタクシー事業者へ参入意向を調査し、希望事業者がいれば不足車両数を割り振る。許可申請書や審査などに不備がなければ許可する方針。 県内での日本版ライドシェアを巡っては、鹿屋市のタクシー会社「まいにち交通」と伊佐市が8月申請。鹿屋では2事業者、伊佐では1事業者が参入意向を示している。
◇ 日本版ライドシェア 旅客運送に必要な2種免許を持たない一般ドライバーが、自家用車でタクシー営業できる制度。地方部では現在、原則として金と土曜の午後4時台から翌日午前5時台に、区域内のタクシー台数の5%を上限に運行できる。国土交通省は地方部に限り、運行曜日や時間帯、供給車両の上限台数の規制を緩和する方針。
南日本新聞 | 鹿児島