23歳が覚醒へ…巨人左腕に「スーパーピッチャー」の素質 杉内コーチが語る“あと1つ”
杉内コーチはポテンシャルを絶賛「真っすぐはピカイチ」
以前から潜在能力を高く評価され、先発ローテ定着を期待されながら、裏切り続けてきた。昨季は4試合に先発するも0勝1敗、防御率10.95。今季も4月20日の広島戦(マツダスタジアム)に先発した際に4回4失点KOされ、その他のリリーフ登板もぱっとしなかった。井上自身「特に先発の時の、祭り上げられる感じが苦手です。リリーフでを命じられて、ぱっとマウンドに上がる時の方が投げやすいですね」と打ち明けている。 そんな左腕に、杉内俊哉投手チーフコーチは「先発の時も、長いイニングを投げようなんて思わなくていい。まずは1人ずつ。結果的に5~6回で疲れて、球速が落ちても構わない。あとは先輩の中継ぎ陣が助けてくれるから」とアドバイスを送る。 さらに杉内コーチは井上を「真っすぐはピカイチ。あとは空振りを取れる変化球がもう1つあれば、スーパーピッチャーになれるはず」と評価。山川らを空振り三振させたスライダーがあるが、「彼のスライダーには“角”がなく、どろんと曲がる。今日は相手にとって初見だったから抑えられたけれど、今のところ70点くらいのスライダーです」と改良を求めている。 今季は、井上にとって同い年で同期入団の堀田賢慎投手が既に3勝を挙げ、一足早く先発ローテに定着しつつある。「悔しいですし、僕も負けないように、いい投球をして競い合っていきたいです」と語気を強めた。いつまでも“期待株”のままではいられない。
宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki