「甲子園二部制」選手たちの感想は? 歓迎の声多数も、コンディション作りや外野守備・打撃には支障も
今年から甲子園二部制が導入され、午前の部と夕方の部に分けて3日間行われた。 初日は開会式と開幕戦を行い、夕方16時から2試合、2日目と3日目は朝8時から2試合を行ったあと、17時から夕方の部として1試合が行われた。選手、監督に話を聞いてみた。 【トーナメント表】夏の甲子園 3日目までの結果一覧 夕方の部に出場した選手たちからは、歓迎の声があった。 「僕たちは群馬敷島球場の暑さを体験しています。甲子園の夕方もまだ蒸し暑いとはいえ、日差しから来る暑さがないだけ、良かったです」(健大高崎・白石 楓真外野手=大会初日夕方の部でプレー) 「はじめから夕方の試合だったので、準備もしやすかったですし、日中よりはプレーはしやすかったです」(京都国際・奥井 颯大捕手=大会2日目夕方の部でプレー) ただ大会1日目に出場した選手たちは、ハードスケジュールだった。朝8時半の開会式に参加するため、早起きをする。7時前には多くの学校が来場していた。初日の夕方の部・第3試合に登場した智辯学園は宿舎に戻って1時間ほど昼寝してからストレッチ・準備をしたという。智辯学園の選手たちは「ナイターの甲子園は楽しかったです!」と笑顔で語ってくれたが、このスケジュールに同情の声はあった。 「開会式に参加してからの試合は難しいですし、初日の人は大変だったと思います…」(奥井) ちなみに、智辯学園と岐阜城北の一戦は計10失策と大荒れの試合だった。 夕方の試合なので、ゆっくりと寝られるかと思えばそうでもない。3日目の夕方の部に登場した南陽工と菰野の選手たちに話を聞くと、南陽工の起床は朝5時半、菰野は7時だったという。南陽工の山崎 康浩監督は普段のスケジュールを崩したくない考えだった。 「いつもは朝練があるから5時。今回は少し30分遅らせて5時半に起床しました。選手たちは朝型の子が多いので、夕方からの試合は、ちょっと大変だったかもしれません。私は還暦(63歳)を過ぎていますから、4時に目を覚ましてしまいます(笑)」 夕方の部は猛暑は避けられる一方で、外野守備、打撃に支障出てくるという。 「レフトは夕方の時間帯になると西日が重なるので、かなりボールが見にくい。その点は気をつけるべきですね」(白石) 「ナイターで全灯になるまでの時間帯が外野手にとって一番大変でした。夕方の17時台がボールが見にくいです」(健大高崎・石田 雄星外野手=大会初日夕方の部でプレー) 「やはり打球は見にくいと思います。日中の試合では起こらないミスもナイターでは起こりました。あと打席に入ると、ボールが見にくいんです。なかなか捉えられませんでした」(智辯学園・知花 琉綺亜内野手=大会初日夕方の部でプレー) 「打席内ではボールが見にくかったです。常にナイターでホームランをガンガン打っているプロ野球選手が本当にすごいなと思いました」(京都国際・奥井) 全体的には好評を持って迎えられた二部制。来年の甲子園ではどんなスケジュールを組むのか注目をしていきたい。