映画『敵』場面写真

　筒井康隆の小説『敵』が、長塚京三主演、吉田大八監督のメガホンで映画化され、2025年1月17日より全国公開されることが決定。併せて、場面写真が解禁された。 【写真】河合優実、バーで出会い儀助（長塚京三）をほんろうする謎めいた大学生役 　本作は、作家でありながら、さまざまな顔を持ち、文壇・メディアとの戦いを経て生き抜いてきた筒井が描く老人文学の決定版を、『桐島、部活やめるってよ』『騙し絵の牙』の吉田監督が実写化。 　渡辺儀助77歳。元大学教授で今はリタイアし、妻に先立たれている彼は、朝起きる時間、食事、衣類、使う文房具一つに至るまでを丹念に扱い、預貯金の残高と生活費があと何年持つかを計算し、自分の寿命を知る。一見自己管理を徹底した生活を送っているように見えるが、時には晩酌を楽しみ、昔の教え子・鷹司靖子に淡い恋愛感情を抱くような、格好の悪い人間らしさもある。だが、そんなある日、書斎のiMacの画面に「敵がやって来る」と不穏なメッセージが流れてくる。 　主演の長塚京三は、2013年公開の『ひまわり～沖縄は忘れない あの日の空を～』以来、12年ぶりの映画主演。“理想の上司像”の印象も強い長塚が、本作では人生の最期に向かって生きる人間の恐怖と喜び、おかしみを同時に表現する。清楚（せいそ）にして妖艶な魅力をもつ大学の教え子には瀧内公美、亡くなってなお儀助の心を支配する妻役には黒沢あすかが幻想的に登場し、バーで出会い儀助をほんろうする謎めいた大学生には河合優実。そのほか松尾諭、松尾貴史、カトウシンスケ、中島歩らが脇を固める。 　主演の長塚は「僕の最後の、いや最後から二番目あたりの映画として受けさせて戴きます。かなりの強行軍は承知ですが、共演者、スタッフの皆さんが、最後まで味方でいてくれることを信じて。『てき』、いいタイトルです」とコメント。 　瀧内は「とても不思議な面白い作品に仕上がっていると思います」、黒沢は「、夢か幻か、あるいはSFかと思わせる独特の世界観を感じました」、河合は「おそらくどの時代に読んでもどうにも魅惑的なこの物語のもと、未知なるものに顔を合わせ、考えてみる機会をもらいました」とコメントしている。 　原作者の筒井は「すべてにわたり映像化不可能と思っていたものを、すべてにわたり映像化を実現していただけた」と本作を絶賛。吉田監督は「自分自身、この先こういう映画は二度とつくれないと確信できるような映画になりました」と語る。 　映画『敵』は、2025年1月17日より全国公開。 　吉田監督、原作の筒井康隆、キャストのコメント全文は以下の通り。