「映画現場の生き字引」白鳥あかねさん スクリプターの役割を超えて遺したもの【追悼】
「映画現場の生き字引」
日活の映画監督、白鳥信一さんと57年に結婚。1男1女を授かっている。 80年にフリーになるが、仕事の依頼は途絶えない。 「日活の黄金期とロマンポルノ人気の双方を知る、映画現場の生き字引。特にテレビドラマ出身の映画監督や若い世代の監督にとってスクリプターを超えた得難い存在でした」(北川さん) 2004年までスクリプターを続け、その後も10年まで映画の脚本を担当し、脇役で出演もした。 9月14日、肺がんのため92歳で逝去。 14年、勧められて『スクリプターはストリッパーではありません』を著した。ユニークな書名の由来は、スクリプターの師である秋山みよさんが、彼女をたしなめて発した言葉だ。ロマンポルノの撮影に協力してくれたストリッパーを招いた宴席で、感謝の意を込めて白鳥さんは上半身の服を脱いで踊り、喝采を浴びたのだ。まさしく“映画はチームで作るもの”を信条とした人らしい逸話である。 「週刊新潮」2024年10月10日号 掲載
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