【ライブレポート】22/7、ミュージカル形式の夏ライブ&涼花萌卒業コンサートを開催
■天城サリーからの涙のメッセージ「苦しいことやつらいことがあったら、いつでも思い出して。ずっと一緒だよ!」 【画像】妖精姿で登場した涼花萌 22/7が、8月31日にヒューリックホール東京にて、2部構成でライブを行った。 まずは、7月公演『Magic School Days ~月と地球のフィルハーモニー~』に続く、8月公演は『Magic School Days ~夏の夜空と最後の魔法~』。魔法学校の夏合宿を舞台とする青春ドラマを通してミュージカル形式で楽曲が披露された公演は、スペシャルエンディングを展開した最終日のDAY3を迎えた。 そして、この日グループを卒業することになった涼花 萌が、自身プロデュースによるユニットコーナーや、歴代衣装のファッションショーでもグループのあらたな魅力を開花させた涼花 萌卒業コンサート『もえぴよ♡ぴよぴよWonderland♡のtea party♡』。その模様をレポートする。 【『Magic School Days ~夏の夜空と最後の魔法~』DAY3レポート】 17時から開幕したのは、『Magic School Days ~夏の夜空と最後の魔法~』最終日のDAY3公演。7月公演の『Magic School Days ~月と地球のフィルハーモニー~』で、魔法学校に入学した10人のナナニジメンバーたちは、今回は夏合宿へ舞台を移し、あらたなストーリーを展開する。 ストーリー冒頭、夏合宿のため、南国へやってきた魔法学校の生徒たちは、はつらつとしたショートパンツ姿で浮き輪や水鉄砲を携えてはしゃぎまわるが、残念ながら合宿が行われるのは海ではなく山! 決められた時間までに山の頂にある合宿所に辿り着くこと、ただし魔法を使えるのはひとり一回きり――。そんな試験内容を言い渡され、10人は険しい山道を進む。 三手に別れて進む展開からユニット曲が披露され、ゆるふわユニット「気の抜けたサイダー」の天城サリー、西條 和、椎名桜月、涼花 萌が歌う「カントリーガール」に合わせて、セクシーユニット「蛍光灯再生計画」とハッピーユニット「晴れた日のベンチ」のメンバー6人が動物に扮してバックダンサーを務めた場面はにぎやかな見どころのひとつだ。 ときにメンバー自身の心情を垣間見せながら、歌とダンスのみならず芝居、さらには殺陣と、全身で「役」を表現する10人の好演が7月の「ACT1」に続き、熱いドラマを生み出していく。クライマックスには、ライブ初披露となった「春雷の頃」が心に覆いかぶさる闇を払うがごとく激しさで光を放った。 全員でゴールすることを選び、ルールを破ってでも「友だち」を助けるために二度目の魔法を使った河瀬 詩と仲間たちの思いは、魔物を倒すばかりでなく、高いプライドに縛られていた天城の心をも砕く。やがて校長は全員に「合格」を告げるが――。 最終公演では、涼花が転校することを伝えるスペシャルエンディングへ突入。急がなければいけない試験のさなかに動物たちとふれあい、遭難しているのに「そうなん?」と能天気に口にしたかと思えば、魔物に身体を操られながらも「私のことはいいから先に進んで!」と必死に訴えた、仲間思いな涼花。天城はそんなバカ正直なクラスメイトにあきれながらも「苦しいことやつらいことがあったら、いつでも思い出して。ずっと一緒だよ!」と言って強く抱きしめ、そんなふたりを仲間たちが優しく包み込んだ。まるで、この日に卒業を迎える涼花への惜別の言葉にもとれる台詞に、役や劇を超え、観ている誰もが涙する一幕となった。 そんな涼花に向けた天城の“最後の魔法”によって“夏の夜空”には満点の星空が。そこから始まる「君はMoon」。手を繋いだ天城と涼花が歌い出しを務めさらなる感動を呼んだが、本来の担当である椎名と河瀬からの粋なはからいだったという。「たとえ、どんなに離れていても」――。涼花の微笑みにふれては涙を流すメンバーたち。手に手をとって軽やかに踊りながら、心は確かに抱きしめ合っていた。 「誰かを幸せにしようとすればするほど力が湧いてくる」。それが、彼女たちの“魔法”の秘密。本編最後に見守ってくれている人たちへのとっておきの魔法として「謎の力」を歌ったが「ACT1」の1曲目に歌ったときとはまた違った響きを持って届けば、魔法の力を信じざるをえないだろう。 アンコールでは「打ち上げ花火の拒否権」が、夏の終わりをせつなくも美しくも彩る。ステージに汗ではなく涙の水たまりが作られてしまったことを笑いながら、ラストナンバーは涼花が最後に参加する最新曲「YESとNOの間に」。キュートでパワフルな楽曲のなかで、最高のハッピーエンドを迎えたのだった。 <22/7 Summer Live 2024『Magic School Days ~夏の夜空と最後の魔法~』セットリスト(8月31日公演)> 1. 世界中で歌おうぜ 2. 後でわかること 3. タチツテトパワー 4. 風は吹いているか? 5. 僕は存在していなかった 6. 僕のホロスコープ 7. To go でよろしく! 8. カントリーガール 9. 空を飛んでみよう 10. 地下鉄抵抗主義 11. 春雷の頃 12. 君はMoon 13. 謎の力 EN1. 打ち上げ花火の拒否権 EN2. YES とNO の間に 【涼花萌 卒業コンサート『もえぴよ♡ぴよぴよWonderland♡のtea party♡』レポート】 この日、魔法学校の物語は幕を下ろしても、彼女たちの“魔法”の力はまだ続く。 「OVERTURE」が始まりを告げ、ピンク一色に染まった同会場で行われる一夜限りのお茶会は、涼花 萌の卒業コンサートである。白とピンクを基調にレースやリボンで飾られたガーリーなバレエコア衣装をまとって登場したメンバーたちの新鮮な姿は会場を沸き立たせ――すぐさま、涙腺に襲い掛かった。 1曲目「シャンプーの匂いがした」。それは、グループ結成当初、メンバーに選ばれながらも配役を得られなかった涼花が“割り切れない”現実を、諦めなかった希望で塗り替えるがごとく歌えるようになった曲だった。「チュルチュチュ♪」のコーラスが甘い「願いの眼差し」、全員で披露する紅白ユニット曲「今年 初めての雪」と、ともすればトゥーマッチな衣装と振り付けのかわいらしさに口元はゆるむばかりで、胸が焼ける。そして涼花は「私のtea partyに来てくれてありがとうございます♪ 好きな曲、好きな世界観。私の生誕祭だと思って楽しんでください♡」と、唯一無二の“もえぴよ”ワールドへといざなうのだった。 ぼんやりしているようで、実はメンバーのことを誰よりも見ていると言われる涼花の手腕がプロデュース企画によって炸裂していく。まず、涼花が属するユニット「気の抜けたサイダー」の楽曲をシャッフルメンバーで披露。“どさんこ”河瀬を頼もしい味方に、天城、西條を加えた先輩メンバー4人で「カントリーガール」。望月りの、月城咲舞、相川奈央と「好きになるのは自由だし…」、椎名桜月、麻丘真央、四条 月との「ソフトクリーム落としちゃった」では、後輩メンバーたちのあらたな一面を見ることができた。最後に披露した「気の抜けたサイダー」正規メンバーによる「悲しみの半分」は、優しいハーモニーが互いを癒やしながらも、拭えない寂しさを抱いて響き合い、全員、涙をこらえることができなかった。 さらに「ムズイ」衣装の河瀬、「覚醒」衣装の麻丘を筆頭に、次々と過去の衣装を着たメンバーたちが練り歩き、会場中をランウェイにしてしまうファッションショーが始まった。 なんと、涼花は1stアルバムに収録の「ヒヤシンス」衣装。当時、体調の問題で自身が参加できなかったツアーのリベンジを果たすとともに、加入前の衣装に憧れていた後輩メンバーの夢をも叶えたのだ。 それぞれの衣装が当時の思い出を呼び起こしながら、向かうは火花を散らす「僕らの環境」。涼花と西條がにらめっこし、涼花が天城の背に乗った「サリ萌」コンビの象徴であるトーテムポールが歓喜のなかで打ち立てられる。「好きと言ったのは嘘だ」も振り付けを最大に活かし、かわいさは天井知らずだ。そして、すべては、しなやかに美しく舞い踊る「後でわかること」の「思い出だけは変わらない」というフレーズへ辿り着くかのようだった。決して、時間を巻き戻すことはできない。だが、いつまでも鮮やかな「心の水族館」を胸にナナニジと出会った人々は生きていけるのだと思わされる。 「よっしゃー行くぞ」と片腕を突き上げて始まる「YESとNOの間に」も、アニメのために作られたタイアップ曲ながら不思議と涼花にピッタリで、次の夢に向かって走り出す背中を押す力となったのだった。 天城の「さよならは言いたくないので」という言葉に続き、本編最後に歌われたのは「循環バス」。この幸せなときが永遠に続くのではないかと思わせてくれるのも、きっとアイドルが魅せる魔法のひとつなのだろう。全員で大きな円を描くように回りながら、見つめ合ったり、ときにハグしたり…。なんでもないときには温かな放課後に見える光景も、止められないときの流れを表しているのだと感じざるをえない。後ろを向いた涼花が、一列となったメンバーたちと向き合って指揮棒を振る動作をしたことも感涙を呼んだ。 会場を揺らす熱い「萌ちゃん」コールを受けて、アンコールに再び登場した涼花は、ピンクのドレスを着てティアラをかぶり、背中には妖精の羽をはやしていた。涼花の正体が本当は「妖精さん」で、人間の姿になってアイドルをやっていることを知らない者はもはやいない。ついに、その魔法の力が解けるときがやってきたのだ。「韋駄天娘」で、メンバーもファンと一緒になって、涼花の代名詞となった「毎日かわいい萌ちゃん!」コールを力いっぱい叫んだ。 そんなコールにも力づけられ「恥ずかしい~」と照れながら、涼花は準備した手紙を読み始める。「ファンのみんなにたくさん思いを伝えようと思ったけど、ありがとうしか出てきませんでした。まだみかみちゃんがいなかったとき、パキッと簡単に割れてしまいそうな私の心は、みんなの応援のおかげで割れることなく、今もピカピカに輝いております!」と会場で、そして配信で見守ってくれているファンに向け、笑顔を見せた。 続いてメンバーには「いつもそばにいてくれたメンバーにも感謝の気持ちでいっぱいです」と、一人ひとりの良いところを明かしながらユーモアたっぷりに感謝を告げた。涼花がどれだけメンバーを愛し、愛さているかが、ありありと伝わってくる。号泣する天城が目に入ると「泣かないで~!」と焦りながらも「サリたんと一緒だと、どんな仕事も楽しくて、夢の中のようでした。これからはちょっと遠いところからサリたんのことを応援しているし、支えているね。サリたんの夢をずっと応援しています。叶えてね…!」と励まし、「大好きで、かわいいみんなを最後に着せ替えできて楽しかったです」と付け加えた。 卒業メンバーにも感謝を伝えたあと、涼花のために作られたキャラクター「神木みかみ」への思いも。「みかみちゃんと出会った日から、毎日がワクワクでした。きっと私は、みかみちゃんが生まれるためにナナニジに入ったんだと思います。黒星紅白さん、とってもかわいいみかみちゃんを描いてくださってありがとうございます! 卒業しても、ずっとずっとみかみちゃんのことを忘れません。みんなもみかみちゃんに会いたくなったら『22/7 計算中』を見てくださーい!」。「7年半お世話になりました。次会うときは、ナナニジのライブで…もしかしたら、あなたの隣にいるかもしれません♪」。涼花らしい「うふふ」笑いを交えながら伝えたメッセージに泣き笑いしながら、会場には優しい気持ちが満ちていた。 そして、最後の曲は紅白ユニット曲の「キウイの主張」を全員で! かわいらしくも癖のある「みかみんラップ」と呼ばれるラップパートが、ナナニジの歴史に確かに刻まれたのだった。 「最後にみんなでお茶を飲みましょう」と、小首をかしげ、片手にカップ、片手にソーサーのティーパーティポーズを求め「おいしー♪ ありがとう♡」と言って退場していった涼花だったが、なんとダブルアンコールで再びステージ上に登場。もう1曲披露できることとなり、「YESとNOの間に」を歌うというボーナスタイムが発生。予測不可能な展開も、THE“もえぴよ”ワールド。最後の最後は「私が卒業してもナナニジのファンは卒業しないでくださいね♡」「絶対にみかみちゃんを忘れないで、毎年、お誕生日を祝ってくださいね♡」と願いのすべてを伝え、笑顔でキスを贈った。 公演中、13thシングル「YESとNOの間に」の特典映像として『Magic School Days ~月と地球のフィルハーモニー~』『Magic School Days ~夏の夜空と最後の魔法~』『もえぴよ♡ぴよぴよWonderland♡のtea party♡』のライブ映像が収録されること、また、11月には2日間にわたって、デビュー7周年を祝う『22/7 ANNIVERSARY LIVE 2024』を行うことも発表された。この夏、掛け替えのない仲間との別れを経験しながらも、ミュージカル形式でのライブを通して大きな成長を果たし、アイドルが持つ“魔法”に目覚めた9人がどんなステージで魅せてくれるのか期待したい。 <涼花萌 卒業コンサート『もえぴよ♡ぴよぴよWonderland♡のtea party♡』セットリスト> 1. シャンプーの匂いがした 2. 願いの眼差し 3. 今年 初めての雪 4. カントリーガール 5. 好きになるのは自由だし… 6. ソフトクリーム落としちゃった 7. 悲しみの半分 8. 僕らの環境 9. 好きと言ったのは嘘だ 10. 後でわかること 11. YESとNOの間に 12. 循環バス EN1. 韋駄天娘 EN2. キウイの主張 WEN1. YESとNOの間に TEXT BY キツカワトモ PHOTO BY ソニー・ミュージックレーベルズ (C)22/7 PROJECT リリース情報 2024.10.30 ON SALE SINGLE「YESとNOの間に」 ライブ情報 『22/7 Anniversary Live 2024』 11/09(土) 東京・THEATER MILANO-Za 第一幕(初日昼公演) 気の抜けたサイダー 看板公演 開場14:45/開演15:30 第二幕(初日夜公演) 晴れた日のベンチ 看板公演 開場18:15/開演19:00 11/10(日) 東京・THEATER MILANO-Za 第三幕(二日目昼公演) 蛍光灯再生計画 看板公演 開場13:45/開演14:30 千穐楽(二日目夜公演) ナナニジ周年大音祭 開場17:15/開演18:00
THE FIRST TIMES編集部