肩で風切る40代〈年収1,000万円超〉の勝ち組部長…「役員も夢じゃない」はずが、まさかの転落に呆然「なにかの間違いでは」
会社員として収入を増やすには、まずは昇進を目指すことが重要だ。しかし、本人の努力の及ばないところで、その道が閉ざされる不運に見舞われるケースもある。実情を見ていく。 【早見表】年金に頼らず「1人で120歳まで生きる」ための貯蓄額
出世すれば給料アップも…「面倒」と考える非管理職、多数
サラリーマンにとって、給与を増やすための正攻法はやはり「昇進」だろう。しかし、誰もが一律に上へ行けるわけではなく、上り詰めることができるのは、一部のエリートのみだ。 厚生労働省『令和5年 賃金構造基本統計調査』によると、課長(男性・平均年齢49.2歳)職の月収は50.0万円、年収では799.1万円。大企業(従業員1,000人以上)に限った場合は、月収は59.7万円、年収では998.9万円。 部長職(男性・平均年齢52.9歳)の場合、平均月収は60.4万円、年収では944.7万円。大企業の場合、月収は74.4万円、年収では1,246.9万円。 当然だが、高い給料を受け取るには、相応の苦労が伴う。役職がない、あるいはそれほど高くない従業員から見た、管理職のイメージは、必ずしもポジティブなものではないようだ。 ビジネスコーチ株式会社が全国の従業員数500人以上の企業に勤める20歳以上の非管理職と管理職に対して行った『昇進・昇格に対するポジションおよび役職別の意識の差についての調査』によると、役職なし、主任、係長の非管理職にある人たちは、管理職に対して「大変」「しんどい」「めんどくさい」というイメージを持つ人が多かった。 もし「課長」に就くとした場合の希望年収は、役職なし、主任、係長で大きな差はなく、「1,000万円前後(平均値)」を希望。「部長」に就くとした場合の希望年収も、役職による大きな差はなく「1,500万円前後(平均値)」だった。一方で「社長職」の希望年収を、非管理職および管理職(課長・部長・本部長)に聞いたところ、 非管理職は平均「3,812万円」、管理職は平均「4,588万円」を希望すると回答した。 ちなみに、非管理職・管理職それぞれに「社長になりたいと考える気持ち」を高めることは何かを聞いたところ、非管理職と管理職の回答には差異があり、非管理職の1位は「報酬やインセンティブ(26.6%)だったのに対し、管理職の1位は「仕事のやりがい・達成感(31.0%)」となった。 実際のところ、部長の年収「1,500万円」の希望が実現可能なのは、平均的な賞与(月収の4.5ヵ月分)を手にできるとした場合、月収90万円を超えるケースのみ。そのような高額な給与をもらっている部長はごくわずかだ。まさに勝ち組の勝ち組といったところか。