ツアー初勝利はお預け 清水大成は「勝てた」試合で惜敗の涙
◇国内男子◇カシオワールドオープン 最終日(24日)◇Kochi黒潮CC(高知)◇7350yd(パー72)◇晴れ(観衆2990人) 【画像】無念の賞金シード喪失… 4mを残しても、上りのパットを打つと決めていた。岩田寛に1打ビハインドで迎えた最終18番(パー5)、清水大成は2オン後の15mのイーグルパットを大きくオーバーさせた。「ショートだけは絶対にしたくなくて。下りの、まだ見ていないラインを打つよりも、一回通り越したラインを打つ方が確率は高いだろうと思って」。プレーオフ進出をかけた、目論見通りの返しのパット。カップに向かったボールは惜しくも外れ、うなだれた。 首位に1打差の3位から出て、後半10番(パー5)からの3連続バーディで単独トップに立った。前の組の岩田に逆転された後、終盤16番と17番も3m以内のバーディチャンスを外していた。「16番はカップの左フチくらいだと思ったのがちょっと強かった。17番は逆に(ラインを)膨らませ過ぎた」。最後はラインを浅めに読んだのが裏目に出た。
悔し涙が頬を伝う。「完全に、勝てたんじゃないかなっていうか…」。前日3日目にパー5で「10打」を叩くトラブルがありながら、この日は「70」で通算13アンダー2位。プロ4年目での初勝利は間違いなく手の届くところにあった。 今季のドライビングディスタンスでツアー7位(301.87yd)の飛ばし屋。「課題はパッティング。後半に入らなかったので」と嘆いたが、平均パットは堂々のトップを走る(27.559)オールラウンダー。「気持ち的には最高でした。緊張している場面で、ティショットをあれだけ真っすぐに打てた。次にまた同じ場面になった時の自信にもなります」と得たものは大きい。 今季未勝利の選手としては最高位の賞金ランキング7位で、次週の最終戦「日本シリーズJTカップ」に出場する。東京よみうりCCでプレーするのは2年ぶり。「来週は本当に最後なので、勝ちたいです」。口を結び、顔を上げた。(高知県芸西村/桂川洋一)