娘が「ママ」と初めて呼んだのが、夫の不倫相手だった… 偶然見つけた不倫の証拠から始まる、され妻のドロ沼離婚劇【書評】
リナとの話し合いで離婚を拒否するナオキに対し、離婚しないならここで嫁を刺すといって包丁を持ち出す不倫相手のヒナ。さらに、ヒナのヤバいところはこれだけに留まらない。サイコパスすぎる姿を見れば見るほどにドン引きすると同時に、そんな人間と不倫するナオキに対しても嫌悪感が湧き上がってくるはずだ。 夫の不倫や思うように進まない離婚をひとりで抱え切れなくなり親友に相談したことで、リナはヒナの被害者が他にもいることを知る。もうひとりの被害者から聞いたヒナの過去や被害によって、ますますヒナのヤバさが浮き彫りになっていく。そしてヒナだけでなく、義母や他の女性にも立ち向かわなくてはいけなくなり― ―。
本作の不倫を巡る離婚劇はまだまだ続いていく。辛すぎる現実に負けそうになりながらも、娘と幸せになるために立ち上がるリナの姿にきっと勇気をもらえるだろう。傷つけられた分、リナが誰より幸せになれることを願いながら、物語の行く末を見届けてもらいたい。 文=ネゴト/ 押入れの人