「45歳を過ぎて産まない人生に踏ん切りがついた」女優・川上麻衣子が思い悩んだ「子を持つこと」と「自分のやりたいこと」
女優の川上麻衣子さんは、中学校の同級生と30歳で結婚し、約4年間の結婚生活を送りました。その間、子どもを望んでいましたが妊娠に至らず、養子縁組も考えていたそうです。「子を持つこと」への悩みやジレンマ、またその後、「猫との共生」をテーマにした一般社団法人「ねこと今日」を立ち上げた経緯を伺いました。(全4回中の3回) 【画像】悩んだ30代経て…50歳で東京・谷中に北欧セレクトショップを開いた川上さん「どれも欲しくなる!」(全15枚)
■選択肢が多い時代だからこその「子どもを持つこと」への悩み ── 30歳で結婚されて、生活はどのように変わりましたか?
川上さん:女優業が忙しい時期ではありましたが、「子どもがほしい」という気持ちもあり、長期間拘束される舞台などのお仕事は控えていました。たくさんの仕事を受けるよりは、のんびりできる時間も作りつつ、「選りすぐりのものに出る」という感じでしたね。志村けんさんとの深夜番組をレギュラーで出演し始めたのも、ちょうどこの頃です。 私の周りでは、「30歳をすぎたら不妊治療を受ける」という人が多かったのですが、私は自然に任せようと考えていました。結婚して3年経っても妊娠には至りませんでしたが、それでも「不妊治療をしよう」とは考えませんでした。
──「養子縁組」を考えたこともあったそうですね。 川上さん:たまたま身近に養子縁組をしていた人がいたので、制度について調べたことがありました。世の中には親を求めている子がたくさんいることを知り、「私で力になれるなら」と前向きに考え出しましたが、「夫婦のどちらかが仕事を辞めなければいけない」など、条件が厳しくて。当時の私は30代。まだ仕事も現役でやっていきたい気持ちが強かったため、諦めるしかありませんでした。
── 当時、悩まれていたことをお聞かせください。 川上さん:離婚後も、「子をもつこと」については考え続け、40代半ばが一番思い悩んだ時期でした。今は卵子を凍結して保存することができますし、40代で高齢出産される方も少なくありません。選択肢が増えた時代だからこそ、「諦め」をつけるのにも時間がかかったように感じています。 「産む」のか「産まない」のか。自分の人生がどちらに進むのかわからない中で日々を過ごしていましたが、45歳を過ぎた頃、「産まない人生になるんだ」と、ようやく踏んぎりがついたんです。その瞬間、長年悩んでいたことに区切りをつけられて、気持ちが楽になった気がしました。