サッカーに悪影響? ウルブズがプレミアリーグでのVAR廃止を提案
来月の年次総会で議論
既に導入から5年以上が経過し、プロサッカーの試合では今やすっかりお馴染みとなったVAR(ビデオ・アシスタントレフェリー)。イギリスの衛星放送『SKY』によると、同システムの導入によってペナルティエリア内のファウルやオフサイドに関する判定の精度が従来の82%から96%へと改善したというデータもあるという。 VARがより正確な判定が下されることに貢献しているのは『SKY』が提示しているデータからも明らかだが、その一方で判定が出るまで時間がかかり過ぎてしまい、VARによって試合の流れが途切れてしまうという批判も存在する。 そうした中、プレミアリーグ所属の20チームが6月6日(現地時間)にVARの廃止について年次総会で議論すると『SKY』およびアメリカメディア『The Athletic』が報じて話題となっている。 今回の議案は、ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズから提出された。同クラブは建議書の中でVARについて「非常に多くの意図せぬネガティブな結果をもたらしている」と批判し、「サポーターとサッカーの関係を傷つけ、プレミアリーグの市場価値を低下させている。退屈なチェックとひどいコミュニケーションによってスタジアム内に不満と動揺が広がっている」としてVAR廃止を提案している。 年次総会で議案が可決されるには3分の2以上の賛成、つまり20チーム中14チーム以上の賛成が必要となっている。もしも議案が可決された場合、既にプレミアリーグが正式に発表した来季からの半自動オフサイドテクノロジーの導入にも影響が出てくるのは間違いない。 果たしてプレミアリーグの各クラブは、ウルブズからの提案に対してどのような決断を下すのだろうか。
構成/ザ・ワールド編集部