「強くなることだけが正義じゃない」 TVドラマ『帰ってきたぞよ!コタローは1人暮らし』の魅力をひも解く
累計発行部数170万部を突破した津村マミの人気コミックを横山 裕主演で実写ドラマ化し、2021年4月期にテレビ朝日「オシドラサタデー」枠で同枠歴代最高視聴率を獲得した連続ドラマ『コタローは1人暮らし』。その待望の続編であり、前作から2年ぶりに同枠で放送されるやいなや、川原瑛都演じる小学生になったコタローの成長ぶりと、横山扮する主人公・狩野との変わらぬ名コンビぶりが大いに話題となった『帰ってきたぞよ!コタローは1人暮らし』のBlu-ray BOXとDVD-BOXが、2月21日に発売された。「強くなること」だけを、みずからの正義と掲げてけなげにたくましく生きるコタローと、そんなコタローに振り回されながらも、彼から大きなことを気づかされる周囲の大人たちとの絆を描いた本作。「たとえ強くなれなかったとしても、たまたま隣になった人たちを仲間に引き入れて、共に支え合って生きていけばいいんじゃない?」とのメッセージが伝わってくる。
売れない漫画家のアパートの隣に引っ越してきたのは「殿様語」を話す訳アリの5歳児!?
まずは簡単に前作のおさらいを。子連れ入居禁止の「アパートの清水」の202号室に暮らす売れない漫画家の狩野 進の隣の部屋に、ある日突然「~でござる」「かたじけない」といった「殿様語」を巧みに操る、何やら訳アリな1人暮らしの5歳児(当時)・さとうコタロー(川原)が引っ越してくる。コタローは、「自分が強くなりさえすれば、いつか再び両親と暮らせる日が来るに違いない」と夢を見ているが、実は母親は既に亡くなっており、父親の虐待から逃れるために児童養護施設を出て、「やさしい人からの寄付」という名目で弁護人から毎月手渡される母の保険金で、幼いながらも1人暮らしを強いられていたのだ。
事情を知ってしまった狩野は、あくまで“おせっかいな隣人”としてコタローと接することで、大人としての責任や人を思いやる気持ちの大切さを改めて実感し、イッセー尾形が一人二役で扮するアパートの大家さん夫婦を筆頭に、かなり個性的だが愛情深い「アパートの清水」の住人たちと交流しながら、コタローと共に自らも成長していく姿を描いていく――。