ゴールドマンのフライデンバーグ氏、人口動態が中国経済への打撃に
(ブルームバーグ): オーストラリアは、自国にとって最大の貿易相手国の人口動態の悪化と不動産市場の「フリーフォール」状態に十分な注意を払っていない。ゴールドマン・サックス・グループの豪州・ニュージーランド部門会長で、元豪財務相のジョシュ・フライデンバーグ氏が12日、指摘した。
フライデンバーグ氏はシドニーで開催された豪経済紙オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー(AFR)ビジネス・サミットでのインタビューで、中国経済は2050年代に人口減少によって大きな影響を受けるだろうと語った。
ただ、中国経済は「本当に大きなベースで成長しているため、今後もわれわれが生産する多くのモノを必要とするだろう。私は慎重だが、下振れリスクも意識している」と指摘した。
先週、中国の経済運営を担う閣僚や中央銀行のトップは政府が掲げる5%前後という野心的な2024年の経済成長率目標を擁護。同目標については、その達成に一部のエコノミストから懐疑的な見方も浮上していた。
中国、5%前後の成長目標を擁護-人民銀総裁は流動性拡大を示唆
フライデンバーグ氏の発言に先立ち、ゴールドマンのウェルスマネジメント事業の最高投資責任者(CIO)は、中国投資は勧めないとの考えを示していた。
シャーミン・モサバルラマニCIOは先週、ブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「どの顧客も尋ねるのは、中国が割安に見えることから、最悪のニュースは織り込み済みなのかという点だ」と述べ、「われわれの考えは、中国に投資すべきではないということだ」と語っている。
中国投資は勧めず-ゴールドマンのウェルスマネジメント幹部が警鐘
一方、フライデンバーグ氏は、インフレとの戦いの中で、豪州準備銀行(中央銀行)の政策金利であるオフィシャル・キャッシュレートの誘導目標はピークに達した可能性が高いとの見方を示した。
原題:Goldman’s Frydenberg Says Demographics to Hit China’s Economy(抜粋)
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Harry Brumpton