AIで胃がん進行度合い判断 高精度達成、年内実用化へ
岡山大と両備システムズ(岡山市)は24日、胃がんの進行度合いを判断する材料の一つである「深達度」を、人工知能(AI)で診断できるシステムを開発したと発表した。専門医を上回る精度での診断が可能で、患者への負担が重い外科手術の必要性をより正しく判断できると期待される。既に医療機器として製造販売承認を取得、年内の販売開始を目指す。 岡山大などによると、胃がんの治療では、比較的早期には内視鏡でのがん切除が行われ、進行した場合は開腹して胃の切除を伴う外科的治療を実施する。がんが胃の粘膜にどれほど深く入り込んでいるかによって治療が決まるが、深さの判別は専門医でも難しい。内視鏡治療で治る症例に外科手術が行われたり、逆に内視鏡治療では不十分だったりする症例があり、課題となっていた。 システムでは、さまざまな深達度の患者約500人分の内視鏡画像約5千枚を「浅い」「深い」の2種類に分類してAIに学習させた。その結果、専門医による正答率を10ポイント上回る82%の精度を達成。診断にかかる時間も1分弱だという。